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「和くん!」
名前を呼ばれて辺りを見回すと知った顔が一つ。
「…雪乃ちゃん?」
帰りのバスを降りて見慣れた景色の駅に戻ると同じバスに乗ってたのか雪乃ちゃんがいた。
「帰ったんじゃなかったの?」
「私たちバイトであそこ行ってて、しばらく住み込みしてるんですよ〜」
「へえ、すごいね…」
まだ一年生なのに年末年始に住み込みでバイトしてるのか…
「二人は?一緒じゃないの?」
「あの子達はあっち残ってます〜、わたしはこっちの連絡係で少しだけこっち来ただけですぐ戻ります」
「そっか」
二人で話してると突然肩ににずしりと重みを感じて前によろける。
玖音が怠そうに頭を乗せて前を覗いた。
「ちょっと…重い」
「あれ…雪乃ちゃん、あけましておめでとう」
「あっ、あけましておめでとうございます!」
玖音がへらっと言うのに対してきちんと背筋を伸ばして頭を下げる。
「和くんにも言ってなかったですね」ってご丁寧に俺にも頭を下げられてつられて頭を下げる。
礼儀正しい子だなほんと…
「昨日はありがとう。二人にも言っておいて」
「はいっ!…玖音くん筋肉痛ですか?歩き方変ですけど…」
「あー…うん。張り切りすぎちゃったしその後無理矢理腰振っ…」
「うわあああ?!」
慌てて玖音の口を手で抑える。
な、何言おうとしてんだバカ!!
俺の慌てるのを楽しんで面白そうに笑ってるけどこっちは気が気じゃない…
「……あの、玖音くんにお伺いします」
ふと、雪乃ちゃんの声がして振り返るとじっと玖音を見つめてて二人で首を傾げる。
手を外して玖音の口が自由になって「何?」って優しく聞いた。
そして予測してなかった言葉が続く。
「お二人恋人ですよね?」
「?!」
「っ、ごふ…っ!」
それは玖音も一緒だったみたいで驚いた顔をした。
え…、ええ?!
「え…あの、雪乃ちゃん?何言って、るのかなぁ…」
「そうですよね?」
「……」
真っ直ぐ見つめられて言葉に詰まる。
すぐ否定しなかった時点で肯定してるのと変わりないのだけど、そろっと玖音を見たらふっと笑って肩を抱き寄せられた。
「そうだよ。僕の彼氏」
「な…っ」
まさか認めると思わなくて口をぱくぱくさせる。
雪乃ちゃん引くって…!
けど焦ってる俺と反して玖音の言葉を聞いた雪乃ちゃんの表情がパァっと明るくなって輝き始めた。
「すごい…初めて見た…本物のBL…!」
「……え…」
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