アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
.(若菜side)
-
だから…心臓が止まるかと思った。
「っ、若菜!!」
あの時自ら全て断ち切った和が…またわたしを呼んで、触れた。
呼び止められるなんて思わなくて焦りと嬉しさとでぐちゃぐちゃになる。
連絡先だけ渡されて、握りしめて友達の元に戻った。
迷ったけど連絡したら電話越しの声が懐かしくてつんと鼻が痛くなった。
和から別れた時何があったのか聞いて信じられなくて
透がそんなことしてたなんて知らなくて
ずっと苦しめてたのはわたしだと気づいて申し訳なくて泣いていたら和は吹っ切れたように笑ってくれた。
「もう大丈夫だから泣くな」って言われて気づいた。
この時、もしかしたらまたヨリを戻せるかもしれないなんて淡い期待が少しもなかったわけじゃない。
けど久しぶりに二人で会って話してるうちに気づいてしまった。
胸元に光るネックレス。
きっと今和は…誰か好きな人がいる。
そしてその人にすごく素を見せてるってわかった。
雰囲気が柔らかくなって男の子に言うのも変だけど可愛くなった気がした。
わたしではさせられなかった顔。
それがわかったらなんだかすっとして、安心した。
「俺…若菜のこと好きだったよ。ずっと。別れてからも好きだった」
「…うん」
「…今は…大切にしたい人がいるから、若菜の隣にいることは出来ない」
「…う、ん」
「あんな風に突き放して傷つけたのに、想っててくれて…ありがとう」
抱きしめられて、懐かしい匂いに今でも好きだと漏れそうになった声を抑えて和の言葉一つ一つに頷いた。
和が幸せならそれでいい…
わたしと付き合ってたことが嫌な思い出じゃないって伝えてくれたから、それだけで充分だよ。
______
「送ってくれてありがとう」
「おう、…またな」
家まで送ってくれて「ばいばい」じゃなくて「またな」と言ってくれた和。
…優しいの変わらないなあ、
「うん…また、いつか」
笑ってみせると和も微笑み返してくれて背を向けて振り返ることはなかった。
後ろ姿が遠くなって…見えなくなってから家に入って携帯を手に取って通話をかける。
…ごめんね和。
ちゃんと自分でケジメつけるから。
「…もしもし?起きてた?…うん、うん。終わったよ、あ…うん。…あのね、聞きたいことあるの
今度学校始まってからでいいから…時間作ってくれる?」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
203 / 265