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「っ、いた、痛い痛い!苦しい…っ!」
上から抱き抑えられるからぐぐっと背中が反れて顔を歪める。
ちょ…背中折れる…っ!
押し返したけど玖音が微かに震えてる事に気づいてハッとした。
…前にもこんなことがあった気がする。
「…玖音…?」
名前を呼んでみたけど腕の力が強まるだけで首元に顔を埋められて擦り寄られるだけだった。
俺今走ってきたから汗臭くないかな…
なんて思ったけど仕方ないからそのまま床に座り込んで玖音の好きなようにさせてやった。
しばらく匂い嗅いだり抱き直したりを繰り返して存在を確かめられてるみたいだった。
相当不安にさせてしまってたみたいで申し訳ない気持ちでいっぱいになる。
「あの…遅くなってごめんね、終わった後連絡しようとしたら充電切れて…早く帰りたかったんだけど電車止まってて…」
背中を撫でながら伝えたらやっと顔を上げてくれて目が合って心臓が潰されそうになった。
不安に揺れる瞳と安堵したような表情でなんとも言えない顔をしてた。
…なんでそんな顔…
「…ごめんね…?」
居た堪れなくて頭を撫でたり手を握ったり玖音が少しでも安心出来るように繰り返す。
しゅんとしてると俺も調子狂う…
おろおろしながらそうしてるとふふっと小さく笑う声がした。
「…大丈夫だよ、戻ってきてくれたからそれでいい」
「…もど、ってくるよ…当たり前だろ」
「うん。ありがとう」
指を絡ませるように手を握られた。
その手を見つめながら玖音の言葉を考えて、怒ってるわけでも呆れてる訳でもなくて心配させてたってことに気づいた。
きっと俺が若菜の話した時から不安にさせてた
俺がこのまま若菜のとこに戻るかもしれないって。
そんなことあるわけない。
…けど逆の立場だったら?
玖音が元恋人のところに行ったら、
それこそご主人様の帰りを待つ忠犬並に家の中で不安を抱えながら待つことしか出来ない。
それで連絡つかなくて夜遅くなって…なんてなったら寂しさで死にそうだ
「ぁー…格好悪い」
「…?」
「そんなわけないって思っててもめちゃくちゃ不安になって。和くん家にいるの見て心底ホッとした…」
ダサいでしょ、と自傷気味に笑う顔に胸が痛くなる。
伝えなきゃ、と思った。
「あのね」
少し強引に玖音の頬を包んで顔を引き寄せる。
いきなりでびっくりしてる瞳に俺が映り込んでた。
「…若菜と別れて、男とするようになった時
俺このままずっと恋愛しないんだろうなって思ってたんだ。
セックスするのは好きだったけど、かといって男が好きなわけじゃないし。
でもこんなになっちゃったから女の子と付き合うってのも考えれなくて。
けどそれでいいと思ってた。
一時的な快楽で満たされてるから、俺はきっとそういう形でしか今後生きていけないって…そう思って諦めてた」
照れくさいから普段からめちゃくちゃ言うタイプじゃないからたまにはいいかなって思った。
それで不安が取り除けるならいい。
だから苦しそうな顔しないで…
「…けど玖音に会って、最初はただ相性よかったからハマって、段々それだけじゃなくなって、気づいたら好きになってた。
今まで何人も身体重ねてきたけど、そんな感情生まれたことなかった。
玖音が初めて、心が動いた人。
だから不安になる要素なんてない
…もっと俺にベタ惚れされてる自信持ってよ」
他の誰かなんて考えたこともない。
君にどうしようもなく依存してるってこと、伝わって欲しい。
言葉に出来ない気持ちを身体で伝える方法しか知らないから触れるだけの軽いキスをして見つめた。
「玖音だけが好き。…誰よりも好きだよ」
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