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変化
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木兎「あかーしーー…ねむい」
赤葦「木兎さん、おはようございます」
セットされていない木兎さんの髪
自分のくせっ毛とは違ったサラサラの銀髪は木兎さんの眠そうな目に被さって妙な美しさを感じる
顔を洗えば水が滴り…
木兎さんに色気なんてあったっけ。
見慣れている光景のはずなのに、一々目に止まる
バレーをする木兎さんはかっこいいと思うことは昔からで、何も変わらない。好きだという感情が生まれたところで木兎さんとのセットアップに支障はない。
所々、色気じみたものを感じることは増えた、でも練習中はいつも通り過ごした
木兎「くっそー!黒尾のブロックうぜぇ!」
赤葦「今のはすごいですね」
黒尾「ドヤァ」
何も変わらない、変わらないはずなのに
黒尾「研磨ぁ」
孤爪「クロなに、べたべたしないで」
黒尾「酷え、頭撫でただけじゃん」
俺の目は黒尾さんを追っている
孤爪と近すぎないか。頭を撫でる、というのはまあ木兎さんも感情表現の1つとして持ち合わせているけれど、なんというか一歩分近い感じ。あの人のスキンシップは異常とまではいかなくとも孤爪がベタベタと表現するくらいにはたぶん近い。
でも俺にはいつも通りの距離感だ。いや、いつも通りとは何だ?今まで意識してなかったからわからない。
貴方は俺のことが、好きなんですよね。
練習も終わり自主練も終わる。
風呂を終えた木兎さんはやっぱりかっこいい、窓から夜風で涼んでいる姿は可愛くも見える。
なるほど、こうやってバレー以外でも木兎さんを見てたんだ。
憧れという漠然とした対象ではなく、かっこいいとか可愛いとか近づきたいとか色々な感情を、男というだけで考えもしなかった。本当は色々な感情を含んでいたなんて。
今までモヤモヤとしていた木兎さんへの感情は黒尾さんのおかげで鮮明になりスッキリしたが、代わりに自分のものにならないもどかしさが生まれた。
赤葦「木兎さん」
木兎「なんだーあかーし」
赤葦「木兎さんって彼女いるんでしたっけ」
木兎「なっ!いねーよ!つか今は興味ねぇ!」
赤葦「え、興味もないんですか?」
木兎「んー、俺は器用じゃねぇからな、たぶんバレーの方が好き!とかなって大事にできなさそう!だからわざわざ地雷踏みに行かない!でも、可愛い女の子は好きだ!すごく!」
これに嘘は無いし木兎さんらしいと思う。
木兎さんの世話係として身の回りを色々見てきたけど、可愛い!と騒ぐことはあっても特に浮いた話はないし、バレーより夢中になってるものを見たことがない。
俺は木兎さんの夢中なバレーの一部にしかなれない
木兎「なに!赤葦彼女の相談?!」
赤葦「いえ、それに相談なら木葉さんとかにします。ただ狙われてるというか」
木兎「ひど!てかまじかー!赤葦ってモテるよなあ。頭いいしかっこいいもんな!クール?っていうの?そういうのも女子は弱そうだよなあ、その子可愛いの?」
この人は褒めるときも直球。嬉しいけれど、女子でもなければ全く可愛くない。
赤葦「可愛くは…ないですね色々。それに俺」
木兎「好きな奴いるんだ!?誰だよー!赤葦の事だから策略とか考えてんだろー、俺は考えてもわかんねぇからとりあえずアタックするけどなあスパイカーだし」
赤葦「さすがですね木兎さんらしいです」
騒ぐ木兎さんをなだめてみんなの輪の中へ
程よく会話も盛り上がって消灯時間
みんなの寝息、いびき
木兎さんの寝顔、黒男さんよりも多いまつ毛
珍しく静かな口、少し垂れたよだれ
力の抜けた手、ゴツゴツとした指
触れたい
そっと木兎さんの小指に自分の小指を絡める
もちろん返ってくる圧は無い
木兎さん。俺はずっと貴方が…
音を立てずに自分の存在を消してからキスをした
自分がとても悪いことをしたような気がした
こんな、本人が気づかないようにキスをして、明日からまた普通の後輩を演じる
最低だと思った
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