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楠田の独り言は放置し、白摩は後輩に縋る。
「え??な、なんかおかしいのか、これって!?」
不意打ちに弱いのか。ん゛、と榎野はあからさま答えに詰まる。
「ミチは、自分達が本当に近しい親友同士だからこういうことをするんだって言っていた。他の奴にその手の話をされたら距離を置けとも言われていた。ミチは、俺にウソをついていたのか??」
しばらく沈黙を保っていた榎野は、とりあえず…と話を変える。
「…じゃあ、白摩さんは一人でヌく方法を知らないんですね??」
え、と突如こちらを向いた楠田に驚きつつ、白摩はおずおずと頷く。
「いやいや、保健体育とかで習うんじゃ…。」
「俺、その頃から学校休みがちな上、授業中はほとんど寝ていた…。」
「ほら、友達づてに聞いたり…。」
「友達も、自慢じゃないけどあんまりいなかったよ。」
数秒後。楠田は、榎野の方を向いて叫ぶ。
「ヤバいんじゃね!??」
「まあ、溜めると身体に悪いって聞きますしね。」
言うや否や。榎野は、楠田の腕を引っ張って抱き寄せる。
「え…??」
ビックリしている楠田の身体を榎野は正面に向ける。後輩は背後から、年上の男のズボンのジッパーにそっと手を伸ばす。
「じゃあ、これから俺が先輩の身体で実演するんで、白摩さんはそこで見ていて下さい。」
途端に、楠田の額に青筋が浮かぶのを白摩は目撃する。
「んなもん、実演しなくても教えられるだろうがァァァッ!!」
楠田の叫びが、部屋いっぱいに響き渡る…。
数分後。午後九時過ぎ。楠田と榎野は、白摩の家をあとにしていた。
住宅街の夜は静かだ。ひんやりとした空気が漂い、時折車のライトが横切る。他に聞こえてくるのは、犬の遠吠え。家族の笑い声。遠くで聞こえる、救急車のサイレンくらいか。
「…どうして実演しなかったんですか。」
「だから、実演する必要は欠片もないっつの。」
手を左右にひらひらと振った楠田は、ややあって目を眇める。
「なぁ。…白摩さん、このままで大丈夫かな。」
先輩の隣で、榎野は頭の後ろで指を組み、ん~と小さく唸る。
「…大丈夫じゃないか、シモの方は。」
「おい。」
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