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「鳩は鳩として生きている。白かろうが灰色だろうがさ。“平和の象徴”なんていうのは、鳩じゃない人間が全体を対象に決めた意味づけだ。鳩は知らない話だもの。どちらが尊いか、第三者が決めていい話じゃない。鳩のよさは、鳩個人…個鳥??が知っていれば問題ない。」
自分のよさなんて自分が知っていれば十分さ、と白摩は喋る。
「他所がどう言おうと関係ない。…生きているのは、そいつじゃなくて鳩自身なんだもの。」
話が一段落したところで、ホームにアナウンスが響き渡る。あと少しで、ホームに帰りの電車が到着する。
「白くなりきれないハトたちは、決して不幸なんかじゃないよ。」
白摩の呟きは、けたたましい電車のベルの音によって空気に溶けて、消えていった…。
〈白くなりきれないハトたちへ END〉
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