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「え…?なん…で?」
「だって貴子君、『帰りたくない』って顔してたもん」
「貴子君が無理して帰る必要は無いし、そんな嫌なことからは逃げてしまえばいいんだよ!だって…帰りたくないんでしょ?」
帰りたくない…
けれど本当にいいのだろうか…
僕はずっと逃げている
本当はお母さん達と話さなきゃいけない
でも…
怖い
僕はどうしようもなく怖い
罵られることや
暴力を振られること
無視されること
ご飯が食べられないこと
眠れないこと
愛されないこと
そんな僕を家に連れていこうと思う目の前のこいつは一体何を考えているんだ…
でも、こんなに辛いことから連れ出してくれるのなら…
逃げ出してしまえるのなら…。
そう考えると同時に暖かいものが僕の頬を伝っていた
「いいの…?」
「もちろん」
「目の前に困ってる子がいて助けないなんて情けないことしないよ?」
「それに貴子君は僕にとって大切な人だからね」
そう言って微笑んでいるこいつは
きっと笑顔でこれまでいろんな人を救ってきたのだろう
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