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平野
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麗くんが眠ったのを確認すると、起こさぬよう寝室へと連れていく。
泣きすぎて腫れた瞼を冷やしながら、眠る麗くんの顔に触れる。直ぐに涙が溢れる麗くんは、これまで枯れるほどの涙を独りで流してきたのだろうか。
19年間、どんな想いをしながら生きて来たのだろうか。
抱えきれなくなるほどの想いを、…死にたくなるほどの想いを独りで背負って来たのだろうか。
改めてマジマジとみる麗くんの痣は、赤黒く、歪で表面はザラザラとしている。指で触れ、瞼の痣に唇をつける。愛しさが込み上げ、胸が苦しい。
儚く、脆くとても美しい。
麗くんは、綺麗でとても真っ白な子だ。
「麗くん、好きだよ」
どうか、麗くんが温かい夢を見れますように。
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