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プロローグ
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いつから、こんな気持ちになったのだろう。
憧れていた気持ちは、いつしか触れていたい、貴方が欲しいという欲望に変わってしまっていた。
しかし、Ωで従者な私にはなんの希望も無い願い。
それどころか、今こうしてαの奏様の側に要られることこそが奇跡なのだ。
先祖代々、大神家に仕えてきた宝生家。
宝生家に産まれた者は幼い頃から大神家の次期当主に仕えるためだけに教育を受け、小学校に入学と同時に側に置かれる。
しかし、Ωが産まれた場合は許嫁がその役目を果たすということになっている。
私はΩであった。
しかし特有のフェロモンの匂いが無く、検査でもα、βとしての反応が無かったことからΩだろうと判断されたため、確かではないと言うことから特例として奏様の側にいることができるのだ。
ーーーもし発情期が来たら即時強制隔離、または奏様が大学に入るまで、と言う契約を結ばされて。
フェロモンが薄いからか、私にはΩだとしても発情期が来なかった。通常は13才までに来る発情期が16才になった今でも来ていない。αでもなく、βでもなく、Ωとしても発情期が来なければ本分である子を孕むこともできない。もはや欠陥品でなければ説明がつかないところまで来ている。
離されることが分かっているから、なおさら辛かった。
しかしこれは奏様は知らないが決定事項。
一従者の私が覆すことなど、不可能。
だから、貴方が不自由なく暮らせるように……貴方がいつも笑っていられるように……せめて、愛しい貴方に出来ることを限られた時間の中で、精一杯従事致します。
もし神様がいるのなら、あと少しだけでいい………奏様の側にいさせてください……!
悟られては終わり。
だから私は今日も今日とて笑顔を貼り付ける…………
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