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宇宙人襲来!-3
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「そっか!澪は犬がすきなん「着きましたよ、今担任の先生をお呼びしますね」」
道中、あまりに煩いので途中から返事も曖昧になり、遂には被せて話してしまった。
早く離れたくて少し早歩きになってしまったのは少しだけ苦手意識を感じたからか。
おかげで耳は痛いし、頭も重いとなかなか重症だ。
時間がとても長く感じたが、ようやく職員室につき、音もなくドアをスライドさせる。
これが一学校の職員室とは言い難い高級感溢れる一室がそこには広がっていて、一番手前の席に私のクラスの担任がいた。
「藤崎先生、転校生をお連れ致しました」
2年Sクラス担任の藤崎 晶〈ブシサキ アキラ〉先生。
どこぞのホストと言わんばかりの派手に染めた金髪と白スーツに黒シャツ、ピアスなんかのアクセサリーをじゃらじゃらと付けている。
口癖は〘ダルい〙なのだけれど、仕事は卒なくこなすこの学園の優秀な数学教師。
「なぁ澪!俺の話ちゃんと聞けよ!友達だろ!酷い事するなよな!」
いつ友達になったのか良く分からないが、この私ですら心底うざいと思ってしまう。
「俺のことちゃんと先生付きで呼んでくれるのは………宝生か……あぁ?なんだこのまりもみたいな奴は。しかもうるせーし……なんかだるい気がしてきた」
大きな欠伸をしながら出できた先生は私よりも頭半分くらい背が高く、明るい茶色の目、ハッキリとした顔立ちからやっぱりイケメンという部類に入る人なのでしょう。
「後でお話は伺いますから、煩いので今は黙って下さい。それと声が大きすぎます、この距離ならあと七割減でも聞こえますので。藤崎先生、私は先に教室へ向かいますので宜しくお願い致します」
「………このまりも、あの無表情でも人当たりが良すぎて会長様にいつも心配されている宝生にここまで言わせるなんて…何したんだ?」
どれだけ注意してもまだ直らない大声のせいで、先生が何を言っているのか聞こえなかったが、一刻も早くこの場から離れたくて堪らなかった。
あの気味が悪い理事長代理があれなら甥は甥か。
まったく、本当に面倒なことになりそうです。
「あ、澪!どこ行くんだよ!?俺も連れてけよ!」
「おい転校生、お前はこっちで書類にサインだ。宝生を追いかけようとするな、命が惜しいならな。宝生にちょっかいかけて、あの会長に睨まれても俺は助けないぞ」
「なんだよお前!名前なんて言うんだ!?俺は宇理!宇理って呼べよな!」
「はいはい、一ノ瀬な。俺は藤崎晶、お前の担任だ。………しっかしうるせぇな…だりぃ」
聞こえないように悪態をつく。
「晶だな!早く澪の所いくぞ!あと一ノ瀬じゃなくて宇理って呼べよな!友達なんだから!」
もうダルくなって、返事もしなくなった。
取り敢えず、会長様には報告だな。あの宝生澪に厄介事が起きそうだ、と。
大切な大切な、王様の姫様に何かあっては学園中が荒れかねない。
そうしてやっぱり煩いまりもを適当にあしらいながら時間が来るまで、宝生の元へ走ろうとするのを押さえつけた。
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