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波乱の幕開け(with親衛隊)-1
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あの煩い毛玉から早々に逃げ、行く先は2-Sの教室。
足の沈むようなフカフカの赤い絨毯を歩き、職員棟から普通棟に入ると沢山の生徒がいる。
今いる2階は2年用のフロアで、クラスが順にS、A、B、C、D、Eと並んでいる。
中でもSクラスは家柄、成績共に素晴らしい生徒が集まるエリートクラス。
クラスは家柄や成績で分けられるが、成績優秀であれば家柄がそこそこでもSクラスに入ることは十分に可能だ。
「あ!副会長様!」
一人の生徒が私に気づくと、周りの生徒が一斉にこちらを向く。
1年経っても尚、あまり好きではない大量の視線に少しだけみを固くする。
「「「「「おはようございます!!」」」」」」
「おはようございます、皆様」
第一声から間髪入れず大勢の生徒が挨拶をしてくれて、すぐに周りに人の壁ができてしまった。
「副会長様!今月のお料理教室ってありますか?」
しかし、進む道を阻むような事はなく一定の距離を保ちながら次々に飛んでくる質問にいつもの様に答えていく。
「小宮さん、今月は新入生歓迎会があるので月末にやりましょうか。調理室を押えておいてくださいね」
「副会長様、お荷物お持ちします!」
「いえ、俺が持ちます!」
「浜松さん、赤星さん、ありがとうございます。これくらいは大丈夫ですよ。また、お手伝いしてほしいときは呼びますね」
「副会長様、今日もお美しいです…!」
「いえいえ、古屋さんのほうが可愛いですよ。それより風邪をひいていたようですが、もう大丈夫ですか?」
「覚えててくださったんですね……!」
「それは勿論、貴方は私の大事な親衛隊員ですからね」
そうこうしている内に、教室についた。
「皆さん、SHRがもうすぐ始まりますよ。教室へお戻りください」
まだ周りには沢山の人がいて、特にクラス内で触れ合えるSクラスとは違ってAクラスからの生徒が多い。
奏様がチワワと呼んだ身長の小さな生徒は皆、クリクリとした大きな目いっぱいに涙を貯めて捨てられた子犬のような目で見つめてくる。
蓮様がドーベルマンと呼んだ通称番犬部隊はまるで尻尾が垂れて、心なしか耳まで垂れているように見える。
「もう行っちゃうんですか………」
「大事な時間ですからね、また会えますよ」
Sクラス以外の生徒がSクラスの教室で過ごすことはダメではないが時間も時間なのであまり宜しいとは言えない。
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