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私は主のモノ-1
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私が、この毛玉と……恋人?
有り得ない事態に、皆が固まる。
いや、そもそも告白したまたはされたという覚えはないし、毛玉と会話があったのは朝だけなのだが。
「………恋人、澪がお前の恋人…………?」
皆が固まるなか、その沈黙を破ったのは奏様だった。
今日初めて会った人なのに、私が毛玉の……コイビト?
有り得ない……私が、好きなのは、これまでも、これからも奏様お一人。
「そうだぞ!!澪は俺の恋人なんだ!!!だからずっと一緒にいるんだ!」
「………恋人ね……本当か?」
奏様が毛玉を睨みつけながら、再度問う。
「離してください!!……違います、奏様!貴方様の許可なしに、私にそんな権利はありません!」
繰り返される虚言に本気の寒気を感じる。
まだ痛いくらいの力で抱きついてくる毛玉、不甲斐ない自分に泣きそうになる。
私には、勝手など許されない。
身体はもちろん、この感情までもが奏様のモノ。
奏様に初めてあった日から…いや、生まれたときから私は奏様のモノなのだ。
「何でそんなこと言うんだ、澪!!俺たち、恋人だろ!!」
「何の話ですか!?離して、下さ…イッ、た…い」
拒否の言葉を吐くたびにギリギリと腕に力を込められ、どれだけ食べても余分な肉がつかない細い体は本格的に軋み始める。
「澪!」
痛みを訴えた途端、奏様が腰に回っていた毛玉の方腕を捻り上げ、流れるように足を払い床に倒す。
そのまま蓮様が倒れた毛玉をうつ伏せにし、両腕を後ろで拘束する。
秋様と夏様はケータイで誰かと話をしていた。
私は奏様の腕に抱きしめられていた。
ふわっと香る、レモンのような甘酸っぱい奏様のフェロモン。
正直苦手だった毛玉に抱きつかれ恋人と言われた嫌悪感や、奏様のモノなのに勝手にこの身体を触らせ何を思われたか。
不安、焦り、嫌悪、ぐちゃぐちゃになった頭がひどく痛む。
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