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私は主のモノ-4
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全てを取り払った毛玉は毛玉ではなくなった……がそこに居たのは、可愛らしいと言うわけでも、カッコいいと言うわけでもない、強いて言えば中性的な顔があった。
この学園では当たり前な風貌である。
しかし他の生徒は自分に見合った着飾り方を知っているし、身の丈に合わない言い方はしない。
「「…微妙」」
秋様と夏様が皆の気持ちを代弁する。
「……それだけで澪に釣り合うと思っていたのか?笑わせるな、これだけならまだ犬猫のほうが静かでマシだぞ。顔もそこそこ、性格は最悪、αでもない、力加減も知らない、バカで五月蝿いだけのお前は到底澪には釣り合わない。……身の程を知れ」
奏様がイライラした面持ちで毛玉の目の前まで歩く。
奏様の言い様には納得だが、私に釣り合わないというのは余計だと思う。
「澪は俺のなんだ!!誰にも渡さない!」
「いつからお前のものになった?澪は俺の大事なパートナーで、生まれたときから俺のそばにいる事を誓わされた身だ。それでなくとも、俺は澪以外を選ばないし、選べない。……バカにはわからないか」
「俺は愛されるべきなんだ!父さんも母さんもそう言ってた!!だから澪も俺を愛してくれるんだ!!」
………奏様が、私だけを選んでくれる。
顔が整っているわけでもなく、奏様のように仕事の数をこなすこともできない。
力は弱く、ボディーガードとしてはいるだけ邪魔。
それなのに、私を選んでくれるのか。
心から、その言葉に安心する。
私は2年後離れるけれど、少しだけでも頼りにしていてくれていると言う事が何よりも嬉しかった。
やっぱり、私が仕えられるのは、この方だけだ。
今一度、私は奏様のモノだということを誓いたくなった。
「はっ、何をガキみたいなことを」
「俺はガキじゃない!宇理だ!」
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