アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
大神 奏の独白-1 (side 奏)
-
油断した。
こんなにも自己管理できていない奴にまさか朱目が使えるとは思ってもいなかった。
俺たち十神家は感情のコントロールを幼い頃から学び、一時の感情の高ぶりで自分自身が振り回されないよう学んできた。
自分がコントロールできているからこそ警戒するのを怠った俺のミスだ。
「クソっ………」
あの後、朱目の支配権を俺に移すと気を失ってしまった澪を部屋まで運びベッドに寝かせた。
もう生徒の帰宅時間はとっくに過ぎていたので生徒に会うことは無かったから良かったものの、俺に運ばれたことを澪はどう思うだろうか。
俺に揺るぎ無い忠誠心を持つが常に一線を引いているような澪。
勉強はΩとしては難しいであろう順位に位置し、生徒会の仕事をこなし、さらに俺の身の回りの世話をしてくれる努力家。
少し苦しそうな顔で眠る澪は最近フェロモンの量が増え、もしかすると発情期が来るのではないかと予測している。
だから、発情期が来たときのために1週間は動けないであろう澪のために家事を覚えようとしたが、結果は大失敗で部屋を泡だらけにするなど逆に迷惑をかけてしまった。
俺は役に立たないが、発情期中は誰も部屋に入れたくない。
いっそのこと本家でしばらく休ませようかとも考えたが、俺が側に澪がいない生活など考えられない。
悶々と悩んでいるうちに、今日の事件が起こった。
………俺も休むか?
いや、俺がいなければ進まない仕事がたくさんある。
「……澪、どうすればいい?」
「……んぅー………」
寝るときは必ず頭まで布団に潜る癖のある澪は、布団をめくり顔を撫でると苦しそうな顔がふにゃ…と綻び擦り寄ってくる。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
46 / 523