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過剰摂取-6 Side奏
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驚く蓮の質問を無視して俺をソファーに移動するように指示を出し、白は点滴スタンドとボストンバッグをソファーの隣に置いく。
蓮は無視されても気にする様子もなく、俺の肩を支えながらソファーまでもう引き摺る様な形で運ぶ。
蓮のことだ、俺がαをテリトリーである私室に入れている事や床に落ちた注射器である程度は察しているのだろう。
「……んで、説明、お願い出来るかな?……奏は喋れなさそうだし、白ちゃん、口パクで良いから一応お願い」
蓮は今まで読唇術を『白ちゃんの声が聞きたい』という理由から覚えるのを拒んでいたが、白が言いたい事を上手く伝えられないのは嫌だと泣いた為、最近になってその技術を習得したのだ。
支えが無いとズルズルと倒れ込んでしまう俺の肩をソファーの背もたれの後ろから支えながら話を聞くつもりらしい。
『……ありがと。簡単に言うと…澪ちゃんに発情期が来てその誘惑に耐える為に、奏は緊急抑制剤を注射器で打った……3本も、ね。本当にバカなんだよ……』
白は俺の左横に座ると、手首の内側を素早く消毒し、ルートを取り軽く揉むと長く太い針を痛みなく刺した。
俯いてしまった白の頭を撫でて、優しく蓮は言う。
「大丈夫だって!あの天下の奏様が、こんなもので直ぐに死ぬもんか。っていうか、もうその抑制剤の抗体が出来てるかもーってね……でも、皆が心配する事は辞めようよ……奏に何かあって、1番悲しむのは澪ちゃんだろ。しかもそれが自分のせいってわかった途端、澪ちゃんは首を吊るかもよ」
……後半は笑えない。
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