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別れ-1
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『お前はもう必要ない』
『この役立たず』
『出来損ないのΩに何ができる』
『穢れたΩはこの家には必要のないものだ』
……わかっています。
ちゃんと、弁えています。
でも、少しでも奏様の元に居たいんです。
奏様が好きだから。
叶わないと分かっているけど、どうしようもなく、好きなんです。
私を必要としてくれる優しさにまだ、縋っていたい。
『馬鹿馬鹿しい。お前は、その奏に捨てられたんだよ』
………嘘だ……嘘だ、嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ!!!
ーーーーーーお願い、捨てないで………。
「……っ!!は、はぁ、ふっ………」
恐ろしい夢だ。
なんの夢だったかは覚えていないが、ただきっと悲しい夢。
だって、こんなにも涙が溢れる。
流れていた涙を強く拭い、あたりを見回す。
(ここは……?)
私の部屋ではない。
時計を見ると、まだ夜中の3時。
(………奏様!?)
ベットから降りようと体を起こすため手をつくと、暖かな感触。
そこには奏様が寝ていたのだ。
しかも、ガーゼの貼られた腕が私の腰を掴んでいた。
途端に、すべてを思い出す。
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