アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
居場所-1
-
「………っん……?」
どのくらい時間が経っただろうか。
ふと目を覚ますと、そこには見慣れないネオン街の光。
窓から見える人を避けながらゆっくりと進む車は明らかに違う場所を進んでゆく。
露出度の高いドレスをつけた窓越しでも厚化粧と分かるような女性、アクセサリーをジャラジャラと身に着け派手なワイシャツの胸元を開き笑いながら歩く男性。
大神家の近くには、こんな場所はない。
「…あの、ここはどこですか?私は大神家に向かってほしいと言ったはずですが」
「あぁ、安心してください……ただの近道ですよ」
運転手の顔は帽子に隠れ、ミラー越しだとよく見えない。
「近道……?そんなこと頼んでいませんから、普通にお願いします」
「お客さん、急いでるんでしょう?」
話している間にも車は進み続け、眩しいネオンも薄れ始め段々と周りに人がいなくなってきた。
「そうですが……!」
……ピリリリリリリリ…ピリリリリリリリ
生まれて初めて見るそういう行為を目的としたホテルやお酒を飲むための場所に恐怖が勝り、運転手に文句を言おうとすると自分のスマホがけたたましい音を響かせた。
思わず跳ねた体を腕でなでながらスマホを取る。
「…ぁ、大旦那…様……」
画面に映る発信元は奏様のお祖父様だった。
何故、このタイミングで掛かってくる?
まさか、発情期が始まったことを知られた?
いや、まだ朝の6時前後……奏様はまだ起きていないはず。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
83 / 523