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焦り-3 Side奏
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自分はΩの欠陥品だと自分のバース性を卑下し、嫌っていた澪。
(大丈夫だ、俺はそんなお前も愛してる……絶対に連れ戻すからな。……澪、お前は俺の運命の番なんだから)
自分で考えて漸く腑に落ちる。
そうだ、初めて会った時に走った電流のような痺れは運命の番だと本能が告げていたんだ。
澪も何かを感じていたはず。
ならば尚更、取り戻さなければ。
澪以外のやつが俺の側にいることを全く想像できないのもそのせいだ。
俺には澪より大切なものなんてない。
ゴミ箱に散るメモを見て、帰ったらお仕置きを建前にドロドロに甘やかして、無表情を取り繕っていても直ぐに赤くなる耳にこれでもかと好きを囁やこう。
そして、なし崩し的にあわよくば抱いてしまおう。
いや、抱く!
澪は俺の番なのだと、俺だけを受け入れる番なのだとフェロモンで全身を覆ってそのうなじに俺の牙を刻もう。
そうと決まれば急いで澪を探さなければ。
澪のスマホには勝手にGPSをつけているから直ぐに見つかるだろう。
ベッドルームに戻りシャツを着ると通知ランプがついているスマホを取る。
取り敢えず、焦る気持ちのままでは何事もうまく行かないということを父さんから耳にタコができるほど聞かされているので目の前の事から1つずつ対応していこうと、届いていたメールを開く。
計5件のメールは全てじい様からで、いつ帰ってくるのかという内容のメールだった。
俺はこのじい様がハッキリ言って嫌いだ。
傲慢、自己中心的と典型的な昔のαで、αこそ至高の生き物だと考えβやΩを排斥しようとする人。
それもあるが、第一に澪を無下にするその態度が大嫌いだ。
澪は誰よりも俺に尽くしてくれる存在で俺が一番感謝しているのにも関わらず、習い事やαの生き方について延々と語っている自分が俺に感謝されていると勘違いをしている。
メールは返さず、父さんに
『澪が出ていった。発情期でパニックになったのかもしれない、雅さんに連絡していないか聞いて欲しい。本家に戻ったと思うから、澪が来ていたら俺の部屋に。じい様には知らせないでくれ』
とメールをし、リビングのパソコンを開く。
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