アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
3.
-
目の前の男は何を言っているのだろうか?言葉は分かるのに頭がうまく機能しない。
「どうやら実感がないようですね。貴方は今日、学校からの帰り道返却された恥ずかしい赤点の答案用紙に絶望し赤信号中の道路を渡り横から来たトラックに跳ねられ死亡。スピードを出しすぎていたトラックに跳ねられた貴方は、十数メートル飛ばされ強打。内臓は破裂し、全身の骨が骨折し「うわぁぁぁぁぁぁ!!!!」
「もういい!思い出した!!それ以上は、やめてくれ!」
「そうですか、それなら良かったです。一応、証拠映像も用意していたのですがご覧になりますか?」
「いや!いい!大丈夫!」
ジェフティの提案を力強く拒否する。この男、涼しい顔して節々で人をけなしてくる。吐き気を催し必至に手で口を抑える。
「それで?ここは、所いう死の世界ってとこ?」
時間が経ち吐き気がなくなった所でジェフティに問いた。
「まーその様なものですかね。ここは今まで貴方が居た世界とは全く異なる世界です。貴方はここの住民となり、これからはここで生活をしてもらいます」
「いつまで?」
「永遠にです」
永遠と小さく呟くとこくりと頷かれた。
「そんな顔なされないでください。ここでは、貴方は死ぬことはありません。自由に生きる事が出来るのです。中々快適ですよ?それに、上を目指せば更なる真実が明らかになるかもしれませんね」
「上を目指すって上には何が?」
ちらっと視線を上に向けるが床と同じタイルしか見えない。
「上には貴方と同じような異なる世界から来た者、異世界人が沢山おります。ここでは、貴方方の事を移住民。元々この世界に居た者を先住民と呼んでおります。そして元の世界と大きく違うのは、魔獣や神獣、妖精がいる事ですね」
ゲームやアニメでしか聞かない単語が並べられ頭がついていけない。
「つ…つまり、ここは魔法が使えると…言うこと?」
「that's right その通りです。炎を出したり風を起こしたり空を飛べたりそんな事が出来る夢の様な世界なのです」
まだ目の当たりにしていないが、段々と動悸が早くなり期待が高まってくる。
「そして移住民の貴方方には、更なる特典がございます。魔法で姿形を変える事は出来ますが、基本的に貴方方は不老不死です。元の世界に囚われていた死という概念が貴方方にはありません」
「だから、永遠…」
その想像をはるかに超える時の単位に身震いした。
「これはあくまでも移住民の皆様だけです。先住民の方は、ゆっくりですが歳を取りいずれ死んで行きます」
「何で移住民だけ?」
「それが、不運にして早く亡くなった貴方方への見舞金なのです。そして、もう一つ。移住民の方々は個人差がありますが先住民に比べ魔術、身体能力のいずれも優れております。魔術を極めるもよし、商人を目指すもよしゆっくり時間を掛け
決めるのもいいかもしれませんね」
すっとジェフティが後ろの壁に向かい指をさした。その指の先を辿ると先程までなかった扉が見えた。
「あそこから外に出られます。ここは、一階なので大した事ありませんがここから先、魔獣がいつ襲ってくるか分かりません。魔獣は妖精や人を大好物にしているため囲われない様に注意してくださいね。又、ここの建物は塔の形をしており最上階は200階になります。上の階へ行く為には、各階のボスを倒さないと進めませんのでご注意下さい」
色々と不安な事はあるが、大前提に死なないと言う設定がある為多少無理しても大丈夫だろうと言う気持ちになる。
それよりも、この先にあるものを早く見たいという気持ちにかられ説明ありがとうございます。と門兵に一言告げ扉へと歩みを進めた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
3 / 126