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36.
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90階フロア
「H・U・S・A・M・A・R・U、ふさ丸!H・U・S・A・M・A・R・U、ふさ丸!」
神獣アイドルふさ丸のライブが、巨大スタジアムで開催されていた。客席は満員で5万人以上のファンが溢れている。
その中でも異様に目立つ者が1人。
頭にふさ丸Loveと書かれたハチマキを巻き、浴衣と下駄姿で発狂している氷雨がいた。周りは、氷雨の異様さに慣れているのか気にしていない様子だ。
ある種ふさ丸ファンの間ではこの光景が名物になっていたりする。
ふさ丸は、今人気沸騰中の神獣アイドルで見た目が白いモコモコの毛で覆われた姿が特徴的だ。その癒し過ぎる姿が氷雨の心を掴んでいた。
2時間後
ライブ終了後の握手会に氷雨は参列していた。今か今かと忙しなくしながら待つ事1時間半、ようやく氷雨の番が来た。緊張で湧き出る汗を浴衣に何度も拭い手を差し出す。
ふさ丸は、モコモコの手を差し出ししっかりと氷雨の手を両手で握った。
「わ〜氷雨さん、また来てくれたんですね〜?嬉しいです」
「当たり前じゃないですか!ふさ丸さんの為ならどこにでも行きますよ!」
いつもは荒い言葉遣いの氷雨だがふさ丸の前だと凄い良い子ちゃんになる。
「あの〜もーそろそろ進んで欲しいんですが…」
誘導員が口を出すまで氷雨の握手会は、終わらない。
「もーこんな時間ですね。氷雨さんまた今度お話ししましょうね?」
「えーもっと話したいです。でも仕方ないですね。また会いに来ますね!」
「はい!また是非来てくださいね」
ふさ丸と30分も話していた。氷雨はまだまだ話したかったが致し方ない。
ふさ丸と話せた高揚感を胸に大人しく自宅へと帰るのであった。
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