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奥の方まで行くと遂にハンスの姿をみつけた。
しかし、鎖で体を拘束され血だらけのハンスは意識がないのか大きく項垂れている。
「おいハンス!無事か!?」
「………………」
何も返答がない。
もしかして死んでるのか…?
牢屋の鍵を開けハンスの元に駆け寄り息を確認する。僅かではあるが呼吸をしていた。それに安堵し、治癒魔法を掛けてやる。そして拘束を解いてやった。
程なくするとハンスが目を覚ました。
「うっ…ここは…」
「地下牢の中だ。目が覚めて早々悪いがアンドレアが消えた。アンドレアの居場所に心当たりはないか?」
「アンドレア様がっ!?…俺も行く…うっ」
急に起きたハンスは頭を抑えて苦しそうにする。
「馬鹿野郎。さっきまで瀕死だったんだ。急に起きるんじゃねぇ。それにその状態でお前が来たら足手まといになるだけだ」
「ちっ…つくづくムカつく奴だな…。だがお前がアンドレア様を助ける理由が分からない」
「ただの気まぐれだ…。それにアンドレアの事を殺そうとしてる奴がお前の傷を手当てするかよ?」
「そうやって俺につけ入ろうとしてるだけかもしれねぇだろ!」
「ばーか。だったら傷は治さねぇで脅した方が早いだろうが」
「うっ確かに…でもお前の事は信用できない」
「信用しなくていい。緊急事態だ。心当たりがあるなら教えてくれ」
「…………「私がご案内いたします」
突如、ハリのある渋い男の声が響いた。
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