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「気分屋様っ!気分屋様はおりませんか!?」
「いるぞ。朝からどーした?」
店に行くと服と髪が乱れた若い女性が立っていた。服は破かれ酷くボロボロだ。
「朝早くから申し訳ありません。妹を…私の妹を助けて下さい!」
「妹…」
「まずは、こっちに座って事情を説明してくれ」
椅子に促すと女性は、おずおずと座った。そこへ温かいハーブティを出す。
「飲め。気分が休まる」
「ありがとう…ございます…」
女性が落ち着いたのを確認し2人は向かえに座る。
「それで?何があったんだ?」
「はい…私と妹はパーティーを組んで山で魔物狩りをしておりました。するとそこら辺を界隈として稼いでいるという山賊に鉢合わせまして…。金銀を要求されたのですが、愚かな事に私は断ったのです。そして対峙した私達でしたが数で敵わず敗北し妹が連れ去られてしまって…」
「なぜ妹さんを?」
「山賊の話だと奴隷商に売りつければ高値で売れると言っておりました。金はやるから妹を返してくれと言ったものの返してもらえず…私は助けてくれる方を一晩探し回ったのです」
「それで俺の話を?」
「はい。良い報酬を払えば何でもしてくれるとお聞きしました。お願いです。妹を妹を助けて下さい!」
「分かりました。妹さんは必ず助けます」
優人が女性の手を取り勝手に返事をする。女性は、優人の返事に凄く喜んでいた。
「おい!勝手に返事をするな。ここの店主は俺だ」
「困っている人がいるのにお前は助けないのかよ?」
「関係ない。俺に見合う報酬がなければ俺は受けない」
「なっ!薄情者っ」
「何と言われようともこれが店の方針だ」
「助けては下さらないのですか…?」
女性は大きく落胆し涙目になっている。
「だから、お前が払える報酬はなんだ?」
「報酬…私を…私を好きにして下さい!妹の為なら何だって出来ます」
「いらねぇ」
「へっ…?何でしたら引き受けて下さいますか!?」
「お前が考えろ」
「おい!お前流石にその言い方はないだろ!」
「お前は黙ってろ」
「っ…お前がやらないんだったら、俺が受ける!その依頼俺が受けても良いですか?」
「へ?あ、はい!希望の光、副団長様がいらっしゃれば心強いです」
「………」
氷雨は無言でその光景を見た後、店の奥に引っ込んだ。
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