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転移石を使い一階の気分屋に戻ると店の中は物静かだった。氷雨の姿がどこにもない。ふと気になり外に出て歩きまわると湖のほとりに寝そべっている姿が見えた。腕で顔を隠している為、表情は見えない。
「あいつらを警備隊に引き渡して来たぞ」
「あーありがとなー」
氷雨の横に優人も寝そべる。優人の行動に疑問を持ったのか腕を少し上げちらっと様子を見て来た。
「雲筋…克雄さんに会ったぞ」
「ウンスジ野郎か。嫌な予感がすると思ったらやっぱり来てたか」
ウンキンと読む所をウンスジと呼ぶ氷雨から仲が良いことが察し取れる。
「…山賊達…否、奴隷商達か?の生い立ちを聞いた」
はあーと重くため息をつき、あのウンスジ、べらべらと喋りやがってとぼそっと呟いた。
「生きていた事は嬉しいが、こんな形で知りたくなかったな…もっと違った暮らしをあいつらにはして貰いたかった…」
「気分屋を擁護するわけではないが、結局蛙の子は蛙になっちまうんだよ」
「……人生って上手くいかないもんだな」
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