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たかが部活なのに、どうしてこんなに必死になれるのか。
木兎さんは言った。
『目の前のヤツをぶっ潰すことと、自分の力が120%発揮されたときの快感が全て』
僕にもそんな時が来るのだろうか。
蒸し暑い体育館の中、その答えを求めて僕はボールだけを追う。
(……来るっ!!)
指先まで力を込め、高く飛ぶ。
鈍い音と同時に指先に重たい衝撃が走り、ボールは弧を描くように向こう側のコート外に落ちた。
「っしゃー!!やっぱ俺最強ー!!」
これで何回目だろう。
ビリビリと痺れる手を見つめながら、深く溜息をついた。
「すこーしタイミング悪かったなメガネくん」
左肩をぽんと叩かれる。
僅かながらに動揺したが、何でもないように僕はそれを払い除けた。
「つきしま、です」
頬を伝う汗が煩わしくて、乱暴に汗を拭う。
どうしたらいいかわからないこの余計な感情も、汗と一緒に拭き取れればいいのに。
「おーこわいこわい」
ニヤニヤしながら肩をすくめてみせるこの男。
黒尾鉄朗。
僕は多分、この2歳年上のこの男に恋をしている。
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