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「月島!見ろよこれ!!」
風呂上がりで濡れた髪を拭いていると、日向が目を輝かせながらやってきた。
両手に抱えているものが花火だと分かった瞬間に、僕はくるりと背中を向けた。
「やだから」
「まだ何も言ってねーぞコラァ!」
ジタバタしながら騒ぎ立てる日向。
言わなくてもわかる。
「王様とか田中先輩あたり誘ったらいいでしょ。僕は疲れてるの」
「影山はもう寝てる!田中さんは西谷さんと…あと音駒の人と何か深刻そうな話してるし…」
お前しかいない!と口を尖らせてふんぞり返る日向に、僕は深く溜息をつく。
見たところ花火の量はそれほどないし、終わるのに大した時間はかからなそうだ。
寝る前に少し外の空気を吸うのも悪くないかもしれない。
「ちゃんと許可取ってるの?」
日向の表情がぱっと明るくなる。
「大丈夫大丈夫!!行こーぜ!」
ワクワク感を全身で表す日向の背中に、ぽつりと呟く。
「…子供かよ」
「何か言ったか?!」
聞こえてしまっていたようだ。
「いーえ。何でもアリマセン」
長風呂の山口を恨みながら、重い腰をあげて部屋を出た。
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