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そんな事は知らなかった1
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前川家の運転手を初めて早二週間
涼太は必要最低限の話しかしてくれなかったが、ちゃんと毎日学校に行っているようだった
流石に毎日キスマークを付ける訳にもいかず次の日には緩い着方に変わっていたがもう注意するのが面倒だった
いつもの学校帰りの車内はたまに話題を思いついた俺が何かを聞くだけだった
「あ、お前他の不良にはなんて言ってあるわけ?グループ抜け出すのとか大変だと思うけど」
「はっ、抜けてねぇよ、2ヶ月集まりには出れねぇって言っただけ」
「おいおい、俺が居なくなったら戻る気満々じゃないっすか」
「良いだろ別に…」
良くねぇよと言おうとしたとき電話の着信音が聞こえた
俺は運転中マナーモードにしているためどうやら涼太のものらしかった
それにしてもこの2週間で初めて鳴ったのを聞いた
「もしもし、何だお前か、うん、は?ふざけんなよ!・・分かった、今どこ?今から向かうからそっから動くなよ」
ピッという音がして通話が切れた
「どこ向かえばいいって?」
「あの山の麓にある廃ビル」
「あっこか、了解、で、何があった?」
「お前には関係ない」
「ある、言ってみろ」
また舌打ち…いやもう慣れましたわ
「・・うちのグループからヤクに手ェ出してるやつが出て、組の上が怒ってリーダー呼んでるらしい」
「それ、あかんやつやわ」
「クソッ、お前のせいだぞ、お前のせいで俺が見に行けてなかったから」
握りこぶしで座席の裏から殴られてちょっと申し訳ない気持ちになる
「っそれを言われるとちょっと事実過ぎて困るわ、ところでお前何処の組なの?」
今更まだ知らなかったことを思い出した
「蛇飼組、蛇を飼うで、じゃかいぐみ」
「・・ふーん、そもそも組とか知らないから凄いかどうか分かんねぇわ」
とは言うものの、心当たりがあり過ぎて内心焦った
心臓が不正脈を打っているみたいで痛い
「だろうな」
またもや話が途切れたが今は声を出したくなかった
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