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そんな事は知らなかった3
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「すまねぇ、あいつらには敵わんかった」
手当てとして包帯を巻いてやりながら話を聞いた
「アイツ、この前入った田丸の野郎がヤクに手ェ出しやがったんすよ」
「リーダーが呼び出されるって聞いて俺ら居ても立っても居られなくてさ、グループの皆んなで来たんですけど危なそうだったんで弱いからって他の奴ら帰らせて3人で見張ってたら見つかっちゃいやした」
なるべく明るく言っている、会話したらそんなイメージがした
それは涼太も同じらしい
「バカ野郎っ、俺のことはいいんだよ」
と本気で怒っているようだった
「あれ、運転手の顔見たことあるような、、あ!この前の!」
「ほんとだ!おい、こんなとこでなにしてやがる、涼太さんに指一本触れたら承知しねぇぞ」
涼太を囲むように3人とも立ち上がってこちらを睨んで来る
残念ながら指一本どころかもうその身体は俺じゃないと…いや今はよそう
「お前ら大丈夫だから落ち着け、俺ん家が運転手として雇ったからもう喧嘩する必要はねぇよ」
涼太がそう弁解するとやっと睨むのをやめてくれた
「お前ら田丸がどうやってヤク入手したか分かるか?」
「分かるも何も皆んなで集会してたら変な女が売りに来たんすよ」
「変な女?」
「その時は全員断って追い出したんすけど、田丸のやつ家でなんかあったらしくてそれから逃げようとしてヤクに手ェ出したらしいっす」
「ヤク使った後に会ったときは全身アザだらけで、なんかトチ狂って自分で自分を傷付けてたらしいっす」
「どう思う?」
涼太がそう聞いてくる
3人にタクシーを呼んでやり車に乗り込んで家に向かって発進した
「どうって何が?」
どれのことについてか分からず聞き返す
「ヤクについて、大人としての見解は?」
「兎に角重い、お前みたいな高校生が責任取るような問題じゃねぇよ」
「そうじゃなくて、はぁもういいや、さっきから何にイラついてんの?」
「イラつく?俺が?」
「イラついてんだろ、あんな話し掛けて来てたのにずっと喋んねぇし」
「そうか、イラついてんのか、俺、なんか…ごめんな、俺が学校に連れてってたから、、お前の居るべきところはやっぱ仲間のところなのかもな」
「気付くのが遅ぇよ」
気にしてないと言われているような声の調子に救われる自分がいる
「なぁ、蛇飼組の組長の名前って何?」
「国見 龍だけど」
「くにみ りゅう、か、ふーん」
そんな名前のやつ俺は一人しか知らない
「何?」
「いや別に」
「あっそ」
これぞいつもの流れだ
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