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二人の仲は言葉で表せないもの6
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「マジで次は手加減してくれ、今は昔みたいには動けないからな」
腹をさすりながら言った
涼太と言い龍と言い…暴力は反対だ
「次があることを前提に進めんな」
今度は優しく俺の肩に拳を当ててから龍は寝転んだ
「折角濡らしてもらったのに乾いちまったな」
いつのまにか転がったバイブを手に取り、もう片方の手で箱からローションを取り出した
「なぁ、やっぱ他のにしねぇか、それは動きがヤバすぎるんだよ」
目線だけでこちらを向いた龍が言った
「やだね」
「はぁ、何でそれにこだわるんだよ、他にも色々あるだろうが」
ヤバイやつにこだわる理由?そんなのさっきのパンチのお返しがしたいからに決まってんじゃねぇか
というのは子供っぽいので教えたくない
「お前のよがってる姿が見たいんだよ」
立ち上がり龍に近づいて腰を下ろした
「‥よくそんな台詞が吐けるな」
「見たいもんを見たいって言って何が悪いんだ?」
俺がそう笑うと呆れたような顔をされた
「さぁて、尻だせや」
片手にローション、もう片手にバイブを持って言った
「とっくに出てんだろ、脚持ってた方がいいか?」
寝転がったせいで、ただでさえはだけていた着物がさらに緩くなり帯のお陰でなんとか原型を留めている形になっていた
大きく開いた胸元から覗く鎖骨のラインとチラッと見える小さな2つの突起に俺は気がつくとスマホを向けて写真を撮っていた
「おい、何撮ってんだ」
「あ、動くな馬鹿、今良い感じなんだよ」
俺がそう言うと絶句したように無言で固まった
顔からして、いい感じ?いい感じって何だ?と戸惑っているのが分かった
「ふはっ、顔と色気が合ってねぇ」
その様子につい笑ってしまった
「よく分かんねぇけど、馬鹿にされたよな今」
もう一度殴られそうな気配を察して俺は素早くスマホを布団の脇に置いた
「悪かったよ、お前は早くシて欲しいんだよな」
龍の肩に手を掛け上半身の着物をするっと滑らせ帯を外して脱がした
布団に大きく広がった着物はさすが組長が着ているだけあって相当高価なもののようだった
「待ちくたびれたぜ、余計な話して先送りにしやがってよ」
「バレてたか、それでも辞めるって選択は無いんだろ?」
俺が龍をこれから先また好きになることはたぶん無い。これで良いのかと悩んで、意味もない会話をしていたことには気付かれていたみたいだ
龍のそれまでの表情が掻き消えて哀愁に満ちた悲しい微笑みになった
「俺はお前のこと全部分かってるからな、好かれて好きになれるのに自分から惚れたって言うのはまずあり得ない、それともう一度やり直す事も出来ない」
だから、今の康太は虚勢を張っているだけで今も好きな人は居ない
そう結論付けた龍はとても悲しそうだった
「そうだよ、大当たり、ってなんでお前が悲しがってんの」
こういう時明るく言ってしまうのはどうしてだろう
「俺は康太に幸せになって欲しいんだ、だけど今康太の周りには康太を受け入れてくれる人がいない、だから今日は俺が…」
そこまで言った龍の口に軽くキスを落として塞いだ
こんなに健気に想ってくれていたなんて
・・・一瞬だけ、龍が儚く見えた
体格は大きい方で筋肉も程よく付いているはずなのにこのまま消えてしまいそうな気がした
そのまま覆い被さって龍を抱きしめた
「俺、参ってんのかな…」
そう言った俺の声は震えていた
声を出してから自分が泣きそうになっていると気付いた
いきなり家族と仕事に突き放された、そのことに対する悲しみが急に襲って来たようだ
「ろくに悲しんでもなかったんだろ」
抱きしめ返してくれる腕には力が入っていて、俺を離したくないと思っているんだと分かった
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