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かわりめ
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話が済んで、やっと解放された夕祐は、頭の中をグルグルさせながら部屋へ向かっていた。
春日君と夜風君が、実は檜山好きのブラコンっていうのは分かってた…でもまさか、初恋…って…でもそれは兄に憧れる気持ちのことではないんだろうか?僕には兄弟がいないからわからないが…戀兎のことを考えると、僕が頭からは否定できる立場にはない…。
…ってか、サラッと男に恋したことがあるとカミングアウトされた…
あの子達はどこまで本気なんだろう…
…僕、檜山君の顔普通に見れるかな?…足が重い
「夕祐、お帰り」
ドキ!!
いつの間にか部屋の前にいて、部屋から出て来た檜山に声をかけられて口から心臓が飛び出した
「た、ただいま」
「またなんかあったのか?」
挙動不審な態度に、檜山が眉を寄せ
夕祐は両手と首をブンブン振った
「無い無い!無いです!」
「そっか、有馬先輩の部屋にまたマキさんいて落ち込んでるのかと…」
檜山の言葉にハッとする、春日と夜風のことがショッキング過ぎてすっかり戀兎の部屋での出来事を忘れていた…
「…なんだやっぱりいたのか」
夕祐の反応に檜山は慰めのつもりだろう、夕祐の頭をくしゃくしゃかき回す
『僕らの初恋は…ひな兄さんです』
急に春日の言葉を思い出す…。
きっとこういうところを好きになったんだろう…勝手な解釈が頭を過る。
そんな檜山を上目遣いで見る。
檜山は優しい顔して微笑んでいた
「檜山君て…」
「あ?」
「イケメンだよね」
「はぁ!?」
驚いた檜山が手を引っ込めた、耳が赤くなってる
そう、良く見るとイケメンだ、多少目はキツイけど弟達には凄く優しい目をするし、面倒見いいし優しいし、確かに双子の気持ちも分かる気がする。
「お前、ちょっと部屋入れ」
押し込むように部屋に入れられ、色々聞かれたが、戀兎の部屋でマキに会ったこと、占い部に入ったことだけ話し、後は黙っておくことにした。
「はぁ!?あの胡散臭い奴の部活に入ったのか?」
「胡散臭いって、先輩いい人だよ」
たぶん
いつも何か企んでる節はあるけど、きっと害を与えられるようなことではない…と思う。
今度夏美に水森先輩情報聞いておこう。
「…お前がいいならいいけど…気をつけろよ」
「うん、大丈夫」
「頼りにならないなぁ」
頭をかきながら檜山に背中を向けられてしまった…
その日の夜の見回りには、戀兎ではなく、中山先輩が復帰した。まだ咳だけ残ってて…とすまなさそうにされたけど、僕にとってはありがたい時間だった、お大事にって言って別れた。
今日は戀兎の担当分をこなす。
中山先輩が復帰した、だから戀兎と仕事するのはもう終わりなんだなぁ、としみじみしながら点呼をこなす。
テスト勉強も終わり、巡回の仕事もお終り、2人で会う時間が終わってしまった…
これからは、校内の偶然と、たまの夕食と点呼の時部屋での一瞬で終わってしまうんだなぁ…
そう思って廊下の窓から外を眺める…、外の桜は全てなくなり、雲が月を隠している
もうすぐ梅雨がはじまろうとしていた。
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