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「烏養くん?」
どうしかしたのか?という顔で武田がこちらを見ている。
烏養は定位置であるテレビが一番良く見える場所には座らず、キッチンに立つ武田を背後からそっと抱きしめた。
「う、烏養くん…?!」
「先生、腹減った…」
「は、はい…もう少しなんで向こうで」
「待てねぇ」
烏養は武田の柔らかな耳たぶに軽く歯を立てると、武田の唇から喘ぎとも捉えられるような悩ましい吐息が漏れる。
何度も抱いた武田の身体。
どこが感じるのか、どうされるのが好きなのか、烏養には手に取るようにわかる。
「先生…」
真っ赤に染まった耳の輪郭をなぞるように舌を這わせながら、部屋着代わりのTシャツの裾に手を差し入れた。
「……っ!」
ベランダから戻ったばかりの烏養の手が思いのほか冷たかった
のだろうか。
武田が小さく息を飲んだ。
「う…かいっ……くん…だめ…です…」
滑らかな腹を撫でていた烏養の手を服の上から止めようとする。
その弱々しい抵抗が余計に烏養の嗜虐心を煽っていることを武田はまだ知らない。
「違うだろ?先生…」
答えを促すように再び耳を舐め上げる。
わざとらしく音を立て、吐息混じりに囁いた。
「教えてやっただろ?こういう時、何て言うのか…」
「ぁ…っ」
快感に流されそうになりながら武田はふるふると首を振る。
こういう頑固なところもまた可愛いと思ってしまう。
だが、烏養も折れる気はさらさらない。
もう片方の手をウエスト部分に差し込もうとした時だった。
ジューッという音と共に、コンロから白い煙が立ち上る。
火にかけていた鍋が勢いよく吹きこぼれたのだ。
「わわわっ…!」
武田が慌ててコンロの火を止める。
見計らったかのようなタイミングの悪さに烏養は顔をしかめた。
(……くそう)
情けないくらい元気になってしまったものを見つめ、烏養は立ち尽くす。
「烏養くん!お待たせしました!さあ、ご飯にしましょう!!」
先程まで烏養の腕の中で喘いでいたはずなのに、武田は何事もなかったかのようにテキパキと料理を盛り付けた。
「ほら!座って座って!」
不貞腐れている烏養の背を押し、定位置に座らせると、目の前のテーブルに次々と料理を並べた。
「飯で誤魔化そうったってそうは…」
行かねえからな!と言おうとして、烏養の腹の虫が鳴く。
クスクスと笑う武田に烏養は気まずい様子で箸を持った。
「烏養くん烏養くん」
「んあ?」
「これ!作ってみました。好きでしょ?」
ニコニコと差し出された小鉢には、烏養の好物である玉こんにゃくの甘辛煮が綺麗に盛り付けられていた。
「いっぱい食べてくださいね!」
満面の笑みの武田に、烏養の箸を持つ手がわなわなと震える。
「玉こんにゃくもいいけど!!それより先生のタマが食いてえんだよぉぉぉ!!」
「烏養くんっ!食事中に下品ですよ!めっ!!」
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