アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
幸福の光
-
カーテンの隙間から漏れるキラキラとした朝の光。
自分を包む優しい温もり。
この2つが1日の始まりの合図。
今日は休日だから、いつもよりゆっくりだけど
やっぱり抜け出すのは少し惜しい。
でも、君と過ごす朝は甘くてふわふわして大好きだから。
君を起こさないように、ゆっくりゆっくり抜け出す。
たっぷり時間をかけてうまく抜け出せたら、気が抜けて
なんだかおかしくて少し笑ってしまう。
そうだ、今日はフレンチトーストにしよう。
甘さ控えめにして、君が好きなカリカリのベーコンを焼いてあげよう。
それにサラダとスープ。
うん、完璧だ。
頭の中でメニューを組み立ててリビングに入ると、朝の優しい日差しが部屋中に広がっていた。
今日は天気がいいなぁ…。
絶好の洗濯日和。
こんな日差しの中で干したお布団は絶対に気持ちいい。
でも、きっと君は、洗濯日和じゃなくてデートしようかって朗らかに笑うかな。
それもいい。
2人でご飯を食べて、洗濯して、お布団を干して、お互いの服を選んで出かける。
あれ、なんか最高の休日が過ごせそう。
まぁ君といられたら、何でもいいんだけどね。
段々とリビングに、バターの甘い香りとベーコンの香ばしい匂いが漂ってくる。
美味しい匂いと温かな光。
君のことと、これから始まる1日のことを考える
君と一緒にいる時以外の、大好きな時間。
テーブルに料理をセッティングし、エプロンを脱いで、後は君を起こすだけ。
君はこれくらいで起きる人じゃないからね。
目覚まし時計じゃなくて、毎朝起こしてほしいなんて…
そんなワガママを聞く理由?
そんなの…
君がスヤスヤと眠っている顔と寝起きの少しぼーっとした間抜けな顔。
おはよう
と声を掛けた時、ふっと目を細めて微笑んでくれる顔。
それが見れるのは、君より早く起きている自分の特権だから。
寝室へ入ると
少し前まで自分が眠っていた場所に投げ出された君の左手が、朝日に反射してキラキラと輝いている。
さぁ、今日はどこにキスして起こそうか。
毎朝考えるけど、やっぱりここかな。
君の左薬指。
そこに輝く、幸福の光。
そっと自分の左手も添えて、一対になった輝きに笑みをこぼしながら
優しく口付ける。
さぁ、起きて
「僕の旦那さま」
君が起きて、おはようのキスをしたら
君と僕の、2人の朝が始まる。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
1 / 1