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「惹かれ合う運命。2人の秘密。」
-
ぴぴっ!ぴぴっ!
電子目覚まし時計の音が聞こえる。
ポチッ。
朝の大仕事をした目覚まし時計を休憩させるため停止ボタンを押した咲。
咲
んぅ…ふぁぁ(´-ω-`)))コックリコックリ。。
まだ眠いのかウトウトしている。
咲
朝ごはん作んなきゃ…お弁当も作んなきゃ……ふあぁぁ…(。-_-。)
まだ眠たいが無理やり起きて朝の支度をする。顔を洗って歯磨きをして朝ごはんを作る。
咲
( *¯ ꒳¯*)ムフフ
今日はパンと目玉焼きと桃ジャム入りヨーグルト!お昼はオムライス作ろう!
ご飯を作ることに慣れている咲はあっという間に朝ごはんとお弁当を作り終えた。
朝ごはんを食べ終わるともう家を出る時間。
今日いるものをバッグに入れて…愛生の
体育着とクッキーは大切にバッグの隅っこに…
咲
いってきまーす。
誰もいないが出かける時の挨拶をする。
ドアを開けるとそこには陽がいた。
陽
おは!
咲
おはよ!
陽
今日、七緒達の前で演奏するんだよな…
咲
うん…なんかすっごく緊張する…
ドドッ
陽
同じく…
ん?なんか聞こえねぇ?
咲
へぁ?
ドドドッ
陽
ほら、なんか聞こえる…
咲
なんかすごい足音みたいな…?
陽
足音…?
咲
足音…
咲と陽はお互い顔を見合わせた。そして…走った( ˙꒳˙ )
陽
絶対吹部だ…
咲
逃げなきゃ捕まる.˚‧(´ฅωฅ`)·˚.
ドドドドッ
吹奏楽部
まてぇぇ!!
咲・陽
やだぁぁぁ!!!!
幸いな事に目の前は学校だ。
学校内には入れば隠れる場所も沢山ある。
陽
咲!…第2音楽室に隠れるぞ!!
咲
はぁっはぁ…ん!
第二音楽室…今は使われていない音楽室。グランドピアノ2台と楽器は置いてある。楽器に関して先生に許可をもらったら吹いてよしとなっている。ピアノは許可を取らなくても弾いていいことになっている。
陽
はぁっ、はっ…靴早く入れるぞ、履くのはあとだ!
咲
はぁっ…はぅぅ…わかっ…たぁ
陽
ふぅ…行くぞ!
咲
はぁ…あぃ!
バタバタっと玄関に来てその場にいた人達はなんだ何だっと言っている。しかし咲と陽が走っていなくなった後にドドドッと地響きのような足音と「咲、陽まてぇぇ!!」と叫ぶ声を聞きなるほどな。となる人々でした。
ガラガラっ!
ピシャン!
陽
はぁ、はぁ…
咲
はふっ…はぁ、ふっ…
陽
…上手く逃げきれたな
咲
ん。
疲れたぁ(´・_・`)
全くホコリっぽくない床に座り込んだ咲。
元々体力が無い上朝に弱い咲だからもう眠いのだろう…
陽
眠いんなら寝たら?
咲
んーん。今寝たら起きれなくなるから…
陽
なら、眠気覚ましにでもピアノ弾くか?
咲
うん!(*ˊ˘ˋ*)。♡:*°
咲は眠い時や機嫌が悪い時ピアノを弾くと元の機嫌に戻ることが多い。
今回も眠気はなくなるだろう。
咲
何弾く?
陽
そうだなぁ…
咲
「愛」をさ、ピアノ版で弾かない?
今日吹くんだし
陽
そうだな。ピアノでも色々確認しとくかぁ
忘れてはならない今日の放課後。
昨日たすけてもらった2人の前で演奏する事になっている。
咲
はーるー!早く弾こ!
陽
そうだな!
自分の息を吹き込まないピアノだからこそ出る味がある。繊細な楽器だからこそ自分の特徴がよく現れる。それが表現にもつながる。楽器とは不思議だっと咲と陽は思った。
咲
息を吹き込む楽器とはやっぱり違うねぇ。
陽
それなw
表現が難しいな…
咲
ほんとにね(๑° ꒳ °๑)
キーンコーンカーンコーン
予鈴がなった。
あと10分後にHRが始まる。
陽
まだ行かない方がいい気がする…
咲
そうだよね。
5分前に行こ?
陽
そうだな、流石に吹部もいないだろ
5分前に第2音楽室から出て少し歩くと…
ドドドッ
吹奏楽部
いたぞー!!!!
咲
ぴぎゃぁぁぁぁ.˚‧(´ฅωฅ`)·˚.
陽
うわぁぁぁぁぁ。゚((ΩДΩ`))゚。
流石にいないと思い油断していた2人に不意打ちで吹奏楽部が追いかけてきた。
吹奏楽部
逃げるなぁぁぁ!!!!
咲
なんでまだいるのぉぉぉ!?
陽
5分前だぞぉぉぉ!?
吹奏楽部
まだ5分前だぁぁぁぁ!!!
流石吹奏楽部ですね。
底なし体力ですか。
咲さん羨ましいよ。
陽
はぁっはっ、教室だ!
咲
はぅ…はっぁ
吹奏楽部
まてぇ!!
ガラガラっ!
ピシャン!
陽
咲!教卓の下だ!!
咲
ん!
陽が教室のドアを開け僕が先に入った。
素早く陽は教室に入りドアを閉めた。
そして2人は教卓の下に隠れた。
おい、どうした?byクラス一同
ガラガラっ!
バァァン!!
今度は何だ?byクラス一同
吹奏楽部
咲!!陽!!追い詰めたぞ!!!!
ってあれ?いないだと!?
クラス一同はなるほどな。っと思い、吹奏楽部に嘘をつこうと考えた。
友達1
2人ならまだ来てねぇよ?
吹奏楽部
そんな…!
今日こそ捕まえるつもりだったのに…。
キーンコーンカーンコーン
運が良く鐘がなった。
吹奏楽部
はっ!解散!!
シュバ!!
吹奏楽部は本鈴がなると同時にあっという間に自分たちのクラスに戻っていった。
幸いな事にこのクラスには吹奏楽部はいない。
友達2
咲?陽?もう吹部いなくなったよ?
友達3
おい?大丈夫か?
クラスの友達は2人を心配して声をかけている。
陽
俺は大丈夫なんだけど…咲が、な?
友達4
教卓どかすぞ、みんな手伝え!
何があったかは分からないがきっと陽は教卓の下から出られないのであろう。
友達5、6
せぇーの!!!
ひょい!!
教卓が宙を浮く。
あの、咲さん?byクラス一同
どうした事やら。
咲は陽に抱きついている。
ガラガラ
先生
HR始めるぞ!って、は?
今の教室の中はとてもおかしい。
教卓は男子2人に持ち上げられ、咲は陽に抱きつき、クラス全員はそんな2人を囲っている。
先生
とりあえず…状況説明を誰かしてくれ…
友達7
陽と咲が吹部に追いかけられて来て、教卓の下に隠れた。それで2人が出てこないから教卓を持ち上げた。って感じですね。
あった事をそのまま伝えた。
先生
あー…昨日辺りから追いかけられてたな。
それで…咲はどうした?
クラス一同も気になっていた。
陽
さき?ほら、大丈夫だから、な?
そう言って背中を優しく撫でている。
そこでようやく分かった。
咲は怯えて陽に抱きついているんだ、と。
先生
咲?大丈夫か?
咲
……コクン。
力なく頷いた咲。
震えているし、耳も尻尾もペタンとしているから絶対に大丈夫じゃない。
先生
あれだ。この状態だと授業できねぇな。
1時間目から2時間目は自由なことしてくれ。俺の授業だから何でもしていいぞ。
咲も、保健室行ってもいいからな。
やったー!!byクラス一同
陽
だとよ、咲。
…1回保健室行くか?
咲
((・・。)(。・・))フルフル
……愛生に、会いたぃ…
小さく呟いた咲の声を陽は聞き逃さなかった。
陽
なら、これから会いに行こうな?
咲
…コクン。
少しだけ元気になった咲さん。耳と尻尾が少し持ち上がったそうです。
先生
HRもなし!
俺も教室にいるけど好きな事しろよー?
わーーい!!byクラス一同
陽
なぁ、みんな!
七緒って人知ってるか?
七緒と愛生は一緒のクラスだと思った陽。
友達8
俺知ってる!
陽
何組がわかるか?
友達8
確か隣のクラス!
D組だったはずだよ?
陽
そっか…ありがとな!
咲、行くぞ?立てるか?
未だ陽に抱きついている咲に話しかける。
咲
…ん。
…腰抜けた( ˙꒳˙ )
あまりの恐怖に腰を抜かしたらしい。
だから陽に抱きついたまま動かなかったのか、っと納得したクラス一同。
陽
…よっと!
咲
ふわぁ?!
陽は咲のことをお姫様抱っこした。
突然のことに驚いた咲は耳と尻尾をピンッと張った。
陽
歩けないんなら連れてってやるよ
咲
…うぅ。恥ずかしぃ…
歩けるからおろして…?
陽
ほんとかぁ?ならおろすぞ?
咲はよほど恥ずかしかったのだろう。顔を真っ赤にして手でおおっている。
みんなに見られている事で恥ずかしさの限界になったのかおろしてと言っている。
咲
は、はやくおろしてぇ…⁄(⁄ ⁄•⁄ω⁄•⁄ ⁄)⁄
陽
ほら…、っと!あぶねぇな!
陽は優しくゆっくり咲をおろした。が、まだ足に力が入っていない咲。ふらけて前に倒れるところだった。
咲
ごめんね、陽…
だいじょうぶ(*´꒳`*)
陽
…ほら、肩に掴まっとけ。
咲
ん、ありがとね
咲はちゃんと陽の肩に掴まって歩き出した。
おい、カレカノかよbyクラス一同
ガラガラ
陽
ほら、行くぞ?
咲
うん!!!
愛生に会えると思うと自然と笑顔になる咲さん。可愛らしい笑顔ですこと。
陽
嬉しそうだなw
咲
(∀`*ゞ)エヘヘ
ピシャン
誰に会いに行ったんだ…?byクラス一同
陽
隣のクラスって楽だなw
教室出ればすぐ着く!
咲
ほんとにねぇ…
陽はD組の入口で人を捕まえて愛生と七緒を呼んでもらっていた。
2人はすぐに来てくれた。
七緒
陽どうした?
陽
本当は愛生に用事があって…
陽はちらっと愛生を見た。
愛生
俺に?
陽
色々あって咲が…な、
愛生
咲?
七緒
気づかなかったけど陽の後ろにいるな?
七緒は一瞬見えた咲の白い猫耳で咲がいることに気がついた。
陽
さっきからずっと隠れてんのw
愛生
咲?どうした?
陽の背中に隠れている咲に優しく問いかける愛生。とりあえず頭を撫でている。
すると咲は…?
愛生
うおっ!?
…ふっ
咲
あき…
咲は愛生に抱きついて頭をぐりぐりしている。
咲の背中を見てとても安心しているのか猫耳がピンっと立っている。
七緒
咲どうしたんだ?
咲の様子があまりにおかしいと思い七緒は不思議に思った。
陽
朝から怖かったんだよ…な?
七緒
…吹部、か?
陽
…あぁw
昨日から追いかけられていたことを七緒は思い出した。
愛生
なるほどなぁ…
何があったか分かった愛生は、ぎゅっと咲を抱きしめた。
陽
咲とさっきまで教卓の下に隠れてたんだけどさ、
七緒
教卓の下…w
七緒は教卓の下に隠れたことに対してとても笑っている。
陽
なんかもう、怖すぎて咲腰抜かしてね…
七緒
なら保健室連れていくか?
陽
咲が保健室じゃなくて愛生に会いたいって言ったから連れてきたw
七緒
だってよ、愛生。
愛生に声をかけた七緒。
愛生の顔は少し驚いている。
愛生
なぁ、咲?陽の話ほんとか?
咲
…ん。
愛生の匂い落ち着くから(*´꒳`*)
愛生の匂いが落ち着くと言っている咲。無意識のうちに愛生に好意を持っている模様。
愛生
…ほら、これ着てろ
ぱさっ
咲に被せられたのは愛生のセーターだ。黒色で咲のサイズより2~3サイズおっきい。
咲
…愛生のだぁ
ふふ(*´꒳`*)ありがとね
ふにゃっと笑った咲。
早速着たセーターの匂いをスンスンかぎ耳と尻尾がぴょこぴょこっとゆれている。よほど嬉しいのだろう。
陽
おぉwいっけめぇん!
七緒
……。
ぱさっ
陽
…うぉ!?
突然七緒も陽にセーターを被せた。
七緒
強がってんの丸わかり。
咲も愛生にくっついてからお前のことチラチラ見てんぞ?
陽
強がってない!
…まぁ、ありがと。
ぶかぶかのセーターを着た2人。太ももの半分が隠れるくらいで正直とても可愛い。
キーンコーンカーンコーン
10分休みの終わりを知らせる鐘がった。
愛生
セーター、好きなだけ着てろよ?
七緒
陽、返すのはいつでもいいから…。
2人はそう言い、頭をポンポン撫でて教室に戻って行った。
陽
もう怖くないか?
不意に陽がそう聞いてきた。
すると咲は…
咲
うん!もう全然怖くない(´ー`)
柔らかい笑顔でそう言った。
陽
教室戻るかw
咲
鐘なってたね…( ˙꒳˙ )
2人はクラスが隣で本当によかった。っと心から思ったのであった。
ガラガラ
おい、誰のセーター借りてきたんだよbyクラス一同
友達8
2人ともどうした?w
そんなでかいセーター着て。
クラス全員が思ったことを友達8が問いかけてきた。
咲
愛生がこれ着てろって(*´꒳`*)
陽
俺もw
なんだ、そのイケメンはbyクラス一同
友達9
そのイケメンは誰だw
咲
隣のクラスの愛生って人( *´꒳`* )
陽
俺は七緒から
クラスの皆はあぁ!っと言っていた。
どうしたのだろう。
友達10
その2人イケメンで有名だぞ?
イケメンだとは思っていたが有名なのは知らなかった2人。
咲
有名だったんだ…
陽
知らなかったな。
クラス一同は最高のカップルが2組できるかもしれない…と思ったのだった。
このクラス一同、同性愛や人の体や容姿に対して偏見が全くない。優しい人の集まりだ。
友達11
咲と陽はその2人のこと好きなの?
突然ぶっ込んだ質問をしてきた友達11。
咲
昨日会ったばっかりだけど好きだよ!…大好きかな。
陽
俺も、好きだな!…大好きに入ってるな。
まだまだ恋心に気づかない2人。
友達として好きっと思っている。
友達11
そっかw
咲と陽は可愛く美しく微笑んで席についた。
愛生と七緒のセーターのおかげで安心して1日を過ごせた咲と陽。
とうとう帰りの会。
先生がまだ来ないので自由時間。
咲
ふふ(*´꒳`*)
陽
ふふ(*´꒳`*)
セーターを着てからずっと上機嫌な2人。
放課後になるにつれて機嫌が上がってきている。
友達12
放課後になんかあるのか?
ウキウキしてんじゃんw
あまりの浮かれように気になった友達12が2人に聞いた。
咲
( *¯ ꒳¯*)ムフフ
愛生に会うんだ!!
陽
(´∀`*)ヘヘヘ
七緒に会うんだよ!!
友達12
そっか!
何するか分からないけど楽しめよ!
ガラガラ
タイミングよく先生が入ってきた。
先生
かえるぞー!!
あっ、忘れてた。
咲、陽大丈夫か?
咲
大丈夫です(*´꒳`*)
陽
俺も大丈夫です!!
先生
よかった…
また追っかけてきて怖かったら愛生と七緒からセーター借りろよーw
心配はしてくれているみたいだがなんだか変な心配な仕方だなぁ。っと思った咲と陽。
先生
そろそろ終わるか!
咲と陽が早く帰りたそうだからなw
咲
早く終わってほしいんです!
陽
俺も早く終わってほしいんですけど!!
放課後に屋上に行くから帰るとは言わない。だから早く終わってほしいっと言葉を変えた。
先生
わかったわかった!
さようなら!また明日!!
咲
陽!
屋上!!
陽
おう!
ばたばた!
吹部に気をつけろよ…byクラス一同
屋上につき。
咲
やぁっと放課後だぁ( *´꒳`* )
陽
長かったなぁ!
2人は外の空気を吸って今日の疲れをリセットした。
咲
ふふ(*´꒳`*)
綺麗…ね!陽!みてみて!
咲の周りに桜と桃の花びらが舞っている。
陽
綺麗だなw
ここまで花びらが届くんだな…
咲
届くみたいだね!
花びらが綺麗でそれに喜んでいる咲。
ヒラヒラと落ちる花びらを捕まえようとクルクルしている。
陽
おっ!
捕まえた!
咲
ふふ(*´꒳`*)
桜の花びらだね!
僕は桃の花びら!
1枚の花びらを捕まえ、お互い微笑んだ。
ガチャ
微笑んでいると不意にドアが開いた。
屋上に来たのは来るのを待っていた愛生と七緒だった。
愛生
咲!
愛生は咲の名前を言うと同時に抱き着いた。
抱き着かれた咲は嬉しそうにしている。
咲
あーき!
愛生
もう大丈夫か?
咲
ん!だいじょうぶ!!
愛生は咲の頭を撫でている。その手に頭を擦り寄せる咲。愛生はニコニコしている。
七緒
陽。
静かに七緒は陽の隣に来た。
陽
へーきへーき!
もうピンピンしてるw
七緒
よかった。
愛生と七緒は今日ずっと2人の心配をしていた。
愛生
俺、咲たちの演奏聞きたい!
七緒
おなじく
咲
あっ…楽器出してないΣ( ̄ロ ̄lll)
陽
楽器出すのすっかり忘れてたわ…
2人はせっせこと楽器を準備し出した。
準備できたら声をかけると言われた愛生と七緒。
愛生
2人観察するかなw
七緒
そうだな。
ぼーっとしてるのもなんかなぁ。っと思った2人は咲と陽を観察することにした。
愛生は咲を。七緒は陽を観察した。
楽器ケースを開け、綺麗に輝く楽器が顔を覗かせる。個々で練習をしている。
少しすると…
陽
準備できた。
咲
準備できました…
緊張しているのかカチコチな2人。
咲に関しては敬語になっている。
愛生
カチカチじゃんw
七緒
気楽に吹けよw
咲と陽は今までカチコチになるだけ緊張なんてしてこなかった。
なぜなら絶対的な自信があったからだ。しかしどうゆうう事だろう…愛生と七緒の前では心臓が爆発しそうなくらい緊張している。
咲
…ん!もう緊張とけた•̀.̫•́✧
陽
…俺も•̀.̫•́✧
緊張した面影はもう全くない。今あるのはドヤ顔のみ!
愛生
ふっくくw
ドヤ顔初めて見たww
七緒
ぶっくくw
それがドヤ顔なのか。
そんなにとドヤ顔が面白かったのか…?と不審に思った咲と陽。後で鏡を見ようと思ったのだった。
咲
ヴヴン!!
もー、笑わないで( *¯ ³¯*)
陽
そうだそうだ(。・ˇェˇ・。)ムス
むすーっとした2人。唇を突き出している。ふっくらした柔らかそうな唇がとても目立っていた。
愛生
ごめんな…w
七緒
すまねぇな…。
咲
…陽さん。ちゃっちゃと吹いて帰りましょう。
陽
咲さん。そうしましょう。
まるでふってくされた子供が仕返しする様な…そんな感じだ。
少しして2人の演奏が始まった。
…すると柔らかい風が吹き始め、桜と桃の花びらが2人の周りに舞い上がる。
「優しく」「癒される」
「力強く」「情熱的な」
「儚く」「切なく」
たくさんの感情が聞いていて伝わってくる。
きっとこれから先、こんな美しい音は世界中誰も出すことができないだろう。そう確信できるほど天才的な演奏だ。
幸せそうに吹く2人。
それはまるで、花の中で踊りを舞っているかのように…花の女神のように…
とても、とても美しかった。
演奏が終わったのだろう。
咲と陽は静かに楽器を下ろした。
咲
どう、だった…?
陽
下手じゃなかった…?
愛生も七緒も、絶句した。
それもそのはず。ついさっき世界中誰も出すことができないだろう。っと確信できる何かがあった演奏なのに、吹いた本人達はとても不安がっている。
愛生
……うますぎて、なんて言ったらいいか…。
七緒
…こんなにうまい演奏聴いたことねぇな。
愛生
これから先、きっと聴けない音だよな。
七緒
それな。
これなら吹部が追う理由わかるわ。
うまく言葉を発せなかった2人は徐々に感想を言ってくれるようになった。
咲
…ごめんね、納得いかない演奏聴かせちゃった。
陽
ごめんな。
正直俺らほとんど本気出してねぇんだ。
咲
愛生。いつか、ちゃんとした演奏聴いてくれますか…?
陽
七緒。いつか、本気出した演奏聴いてくれますか…?
「あの時」のように、お互いの尻尾を絡ませあっている。
愛生
…だいじょーぶ!
俺は咲がどんな演奏をしてもずっと聴く。だから安心しろ?
七緒
陽、俺も同じだ。お前の音は心地いい。ずっと聴いてれる。怯えなくていい。
内心あの演奏で本気じゃない…?ならばこの2人の本気の演奏はどれほどのものなんだろう…。と興味がわくと同時に、底知れぬ「演奏家」としての才能に恐怖を覚えた愛生と七緒だった。
ばぁぁん!!!!!!!!!
突然ドアが開いた。
入ってきたのはご想像通りの…
吹奏楽部
さぁぁぁき!!はぁぁぁる!!
吹部にはいれぇぇえええええ
咲
ぴぎゃぁ!?
あきぃ.˚‧(´ฅωฅ`)·˚.
陽
うおぁ!?
な、ななお(இдஇ`。)
ひしっと愛生と七緒に抱き着いた。
愛生
大丈夫だ。な?
七緒
ほら、大丈夫。
迫り来る吹部。
咲と陽は恐怖の中背中から感じる愛生と七緒の体温とかけてくれる言葉に安心していた。
吹奏楽部
…怖がらせてごめん。
C組全員が音楽室に来て咲と陽を怖がらせるなって言いに来たんだ。…申し訳なくなった。ごめん。それでも入ってほしいんだ。2人の演奏技術が必要なんだ。
そっか…みんなが話してくれたんだ。
2人は純粋に嬉しくて心がぽわぽわ暖かくなったのだった。
そして思った事を怖がらず言ってみることにした。それを分かってくれているのか愛生も七緒も黙っていてくれている。
咲
…僕達以外でも音楽経験者いるよ?
陽
それも全国レベルの人だっている。
俺らじゃなくても良くねぇか?
吹奏楽部
…この学校に経験者はざっと200人ほどいる。でも、誰も入ろうとしてくれないんだ。
全校生徒600人中200人ほどが元吹奏楽経験者。しかし誰も入らない。それは何故なのか…?
咲
…吹奏楽の闇を見たから。
愛生
…咲?
ボソッと咲が呟いた。その声が聞こえたのは愛生だけだった。
吹奏楽部
お願いします!はいってください!
みんな頭を下げてきた。
それでも…
陽
もし、入部したとしても俺らは表舞台には立てねぇよ。
咲
吹くとしたら入学式とかの行進曲ね。
吹奏楽部
なんで!?
2人の発言にその場にいた人たちはみんな驚いている。
咲
……秘密。
陽
秘密だな。
とても切なそうに、辛そうに。「秘密」と言った。
吹奏楽部はなんとも言えない表情をしている。でも、誰も何も発しなかった。
その壁を壊したのは意外にも咲だった。
咲
…秘密って言葉に逃げてるけどね、誰にだって言えないことってあるでしょ?
陽
俺らだけじゃない。元吹奏楽部の人たちも言えないことってあるんだよ。
どことなく重みのある言葉だ。
さらに2人は話を進める。
咲
「愛する人の為に咲く愛の花。永遠とも言える花。愛を失くした花は永遠に咲き咲き誇ることが出来ない。」
陽
「1度黒になった色は何を足しても黒。唯一白を足せば黒は薄くなる。黒は永遠に白になれない。」
咲と陽はなにか意味のありそうな言葉を呟いた。この言葉には一体なんの意味があるのか…。
吹奏楽部
この言葉の意味は?
咲
この言葉は僕と陽の気持ち。
陽
抽象的すぎるけどなw
咲
きっとわかる時が来るよ(*´꒳`*)
吹奏楽部は改めてこの2人が抱えるもの大きさを知った。
言葉には出せないが抽象的に表すことで伝えたい思いは伝わっているのだ。
シーンとした暗い雰囲気の中咲の声が響いた。
咲
愛生!!
…一緒に帰りませんか|ω・`)…チラ
愛生
お、おう…!
どうやら帰りたくなったようだ。
猫の血が流れているせいかとてもマイペースな咲さん。
陽
…七緒!一緒に帰らないか?
七緒
あぁ。
陽も七緒を誘い帰る準備をしている。
吹奏楽部の人達は立ち尽くしている。
咲
…これから気をつけてね。
陽
何があっても自分を信じろよ。
咲と陽は吹奏楽部に一言そう言って愛生と七緒と一緒に屋上から出たのであった。
学校から出て桜と桃の木の並木道を通っている時に愛生はこう言った。
愛生
俺咲と陽のライン交換したいんだった!
愛生はそう言って携帯を出した。
咲
僕も愛生と七緒の欲しい!
…愛生!交換しよ?
咲も携帯を出した。
愛生
やった!!
咲との繋がりできたw
咲
ふふ(*´꒳`*)
愛生との繋がりができた!
早速交換してスタンプを送った模様。
咲
わーい!
陽!みてみて!
愛生からスタンプきたヾ(喜*・ω・*)ノ
あまりの嬉しさから咲は陽にラインを見せた。お互いスタンプを送りあっている。
陽
俺も交換したo(`・ω´・+o) ドヤァ…!
ほら!
こっちもスタンプ合戦のよう。
七緒
愛生、後で咲のくれよ?
陽のやるから。
愛生
おう!
今やるわw
七緒
俺もそうするわ。
4人は無事ライン交換できたのであった。
愛生
咲、暇な時とか相手するからなw
咲
ほんと?
ならくだらないことでもラインする!
この調子なら毎日ラインしそうだな。っと思う陽と七緒だった。
七緒
お前も。好きな時にラインしろ。
陽
命令口調w
わかったよ。ラインしてやる。
こちらも毎日ラインしそうである。
咲
あっ、愛生!
このクッキー…昨日体育着借りたお礼なんだけど貰ってくれる?|ω・`)…チラ
咲が取り出したのは程よいきつね色の可愛らしいくまのクッキーだ。丁寧にチョコで顔もついている。
愛生
これくれんの!?
驚きと嬉しさが顔に表れている。
尻尾も大きく揺れている。
咲
うん!
…甘いのへーき?
愛生
ブラックコーヒーがあればへーきw
咲
こっち甘さ控えめなのだけど…
愛生
両方俺が食う(。 ー`ωー´) キラン☆
キメ顔でクッキーを貰ってくれた愛生。
甘さ控えめな方を食べようとしている。
サクサク
クッキーのサクサクっとした音が綺麗になっている。
愛生
…ありがとな
俺、咲の甘いのだったらなんでも食えるわw
咲
よかったぁ(*´꒳`*)
また…作ったら貰ってくれる?
愛生
おう!つか、俺が全部食うわw
うますぎて他のやつに食って欲しくねぇもん
咲
嬉しいですヾ(喜*・ω・*)ノ
愛生はクッキーを咥えながら咲の頭をポンポンした。咲は嬉しそうに愛生に向かって微笑んだ。
2人のことをずっと見ていた七緒と陽。
突然七緒は口を開いた。
七緒
俺もなんか欲しいな…?
陽
…ありがとな。
そっぽ向きながら陽は小さな袋を渡してきた。七緒は迷いなく受け取り中身を見た。
七緒
ふっw
ありがとな。美味いわ。
陽もクッキーをお礼として作っていた。
綺麗なきつね色で犬の形をしている。
陽
七緒は甘いの平気か?
咲と同じ質問をする陽。
七緒
俺も愛生と同じだ。
ブラックコーヒーがあれば平気だ。
陽
そっか…
七緒
お前のならなんでも食べるよ。
陽
…また後で作ってくるわ。
仲が悪そうに見えるけど実際はとても仲が良さそうに見える。
咲
愛生、僕の家ここ( ˙꒳˙ )
陽
俺の家その隣。
咲と陽は足を止めた。
愛生
ここかw
俺の家もう少し奥だわ
七緒
そっちが陽の家か…
愛生
…名残惜しいけど。
また明日な!
七緒
また明日。
2人は歩き出した。
咲
あーきー!なーなーおー!
ありがとうねぇ!
陽
ななおー!あきー!
気をつけて帰れよ!
お礼の気持ちを込めておっきな声で挨拶をした。愛生も七緒も後ろ向きの状態で手を振ってくれた。
咲
ねぇ、陽さん。
愛生たちが見えなくなったあと咲が声をかけてきた。
陽
なんだい、咲さん。
咲
なんかね、運命ってあるのかなぁって思った。
陽
なんだなんだw
咲
愛生と七緒見てるとね、特に愛生を見てるとね、懐かしくてポカポカする。
陽
俺は特に七緒だわw
確かに運命ってあるのかもな。
2人して恥ずかしい話をしたと思い照れ笑いした。
陽
…これから距離詰めれたらいいな
咲
うん!
そうして2人は家に入って行った。
その日夜、ラインの4人グループができた。さっそくみんなでスタンプ合戦。
グループ以外でも愛生と七緒、陽からそれぞれラインがきた。
咲はそれぞれに返事を返し、最後は愛生に返信した。
咲
ふふ(*´꒳`*)
愛生とライン楽しいなぁ
ポヨン!
「おやすみ」
愛生からおやすみってきた。
僕が眠過ぎて誤字が多いから気を使ってくれたのだろう。
咲
返信して寝ようZz(´-ω-`*)
「おやすみね」
打ってからスヤスヤと寝てしまった咲。
この後に愛生から「いい夢見るといいな」っと来ていた。それに気づくのは次の日の朝。
愛生
既読つかねぇなw
…おやすみ、咲。
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