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7年ぶりの邂逅
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Side haru
「追え!逃がすな!」
ハ「(また適当なところで路地裏に入るか。確か休めそうなところもあったはず。)」
事前に付近の様子を調べていた時に見つけた路地裏の家庭用コンテナ。ちょうどいいくらいの高さでベンチ代わりになりそうだった。
ハ「ここらへんに……あった…!?」
確かにコンテナがあったが、そこには先客がいた。
?「Zzz」
ハ「(け、警察官!?)」
一人の若い警察官がコンテナの上で寝ていた。どう見てもサボりだ。
ハ「(大丈夫かこいつ。)」
帽子を顔の上にのせて寝ている彼にそっと近づく。
路地裏を出るとまだ警官がいるかもしれないから、こいつの服を少しばかり借りようと考えたのだ。
念のために睡眠薬を染み込ませたハンカチを用意する。
ハ「それでは拝借~。」
帽子をそっと外して顔を覗き込んでみる。
ハ「!!?」
するとそこには見慣れた顔があった。
ハ「しゅ、シュン!?」
思わずハンカチを落とし、声をあげてしまった。それも仕方がないだろう。だって中学までの親友が警察官になって目の前にいるのだから。
シ「ぅん?」
ハ「あ。」
ハ「(ヤバい、起きちゃう!)」
そう思った俺は全力で走り出した。
ハ「はあっ…はあっ…。」
途中で他の警察官に見つかったが、なんとか撒くことができた。
自宅の扉を開け、ほっと一息つく。
ハ「なんで…よりによってあいつが……はあっ…。」
吐きそうなほどしんどかったけど、それさえ忘れてしまうほどにシュンのことで頭がいっぱいだった。
シュンは昔からサボったりだとかいたずらをしたりするようなやつだったから、警察官になるだなんて思ってもみなかった。
ハ「あいつが警察官やって大丈夫か?」
少し頬を緩ませて呟く。
ハ「(懐かしい。…けど会いたくない。)」
俺が怪盗をやっているからというのもあるが、何よりシュンとは苦い思い出があるから…。
とりあえず今日は寝よう。明日はバイトだ。
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