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可能性
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Side shun
店員さん「すみません、わざわざお気遣いして頂いたのに。」
シ「いえいえ!本当に俺も1人じゃ心細いんで嬉しいです!」
なんとかさっきまでのテンションを続けようとするけど、頭の中はユウタの言葉を受け止めるのに必死だった。
ー数分前ー
ユ「…お前、そういう趣味だったのか?」
シ「……は?」
店員さんから距離をとると、突然ユウタがそんなことを訊いてきた。
ユ「いや、だからさ。男が好きなのかってこと。」
シ「え!?いや。…あっ、そういうこと!?」
予想外の一言に理解が遅れてしまう。
シ「(男相手なのにナンパとか普通に言ってたじゃん!何で今訊く!?わざわざ店員さんから離して今訊く必要ある!??)」
頭の中でいろいろ突っ込むけど、返答にはならない。それにそのまま突っ込んだら、「相手を男だと認識した上でナンパした」ことを暗に肯定するような形になる。まあ、そもそもその"気"がなかったらすぐ否定するんだけど。
「ユウタには言ってもいいかな」という思いと、「好きな人は男だけど、男が好きってわけじゃない」という変なこだわりが拮抗して対応に困る。すると、
ユ「いや、そんな真剣に悩まないでよw」
ユ「まあ冗談はさておき。」
と一笑された。
シ「(冗談かよ。めっちゃ悩んだのが馬鹿みてぇじゃん。)」
ユ「あの店員さん。気を付けたほうがいいかも。」
シ「!?」
これまた予想外の一言に、それまで考えていたことが一気に吹き飛んだ。
シ「え…なんで?」
わからないという顔をすれば、ユウタは声を小さくして話し始めた。
ユ「だっておかしいだろ?まだ20代前半くらいの男が彼女も連れずにこんな絵画展に1人で来てるんだぞ?」
シ「それなら俺だって…」
ユ「それだけじゃない!」
俺の話を遮ってユウタは続ける。
ユ「最初は迷惑そうにしてたのに、一旦別れた後にもう一度一緒にまわろうなんて普通言ってこないぞ?しかもそのタイミングが…」
シ「タイミング?」
ユ「そう。店員さんと別れた後、俺らは何の話をした?」
シ「えっと…。」
ユ「シャドウの話だ。」
シ「!!」
そこでやっとユウタの言いたいことがわかった。
ユ「もし本物だったら、下見に来てる可能性がある。身長や体型も報告されている内容と一緒だし、全くない話ではないと思う。」
これでシャドウについて訊いてきたらますます怪しいな、なんて冷静にユウタが喋る。
ユ「違うかもしれないけど、一応は警戒しとけよ。」
と言ってユウタは持ち場に戻った。
シ「(店員さんがシャドウ…?)」
シ「ん?……んん?」
いきなりそんな可能性のことを言われても…。
シ「いやいや…。」
シ「(可能性としてないこともない…のか?)」
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