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俺の過去-2
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こんな俺だが幼少時代は明るく、笑顔を振りまく健康優良児だった。特に大きな病気もしなかったし、持病と呼ばれるものもなかった。
両親と俺の三人で古くて小さいが持ち家に住み、休日になると親父が運転する車でドライブを楽しんでいたし、なかなか順調な人生だったと思う。
穏和な両親は、時に気が小さ過ぎるのではないかと子供の俺が心配するくらい優しくて、怒鳴られたことも一度もなく平和な日常を送っていた。
ところが小学五年生の時に母を病気で亡くしたあと、元々心が弱い傾向にあった親父は酒に溺れ、ギャンブルにのめり込むようになっていった。
仕事に行かなくなった親父は昼間から酔っ払い、時々意味不明な言葉を発するようになった。
そんなある夜、母親に似ている俺を可愛がっていた親父は、酔った勢いで母親の名前を呼びながら、俺に覆いかぶさると抱きついてきた。
人肌の温もりに安心して嬉しくはなったが、いくら似ていても母さんの代わりにはなれないのにと、申し訳ない気がしてきた。
しばらくすると、親父の手が俺の平たい胸をまさぐり始め、首筋にぬるっとした何かが当たったが、多分親父の濡れた舌だろうなと考えながら、暗い天井を見上げていた。
ピタッと動きを止めた親父が我に返ったようで、全く抵抗をしない俺をまるで魔物を見るような目でしばらくの間見つめると、顔面蒼白になり家を出て行ってしまった。
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