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俺の過去-3
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小学高学年にもなればある程度の生活能力は持ち合わせているもので、俺はごく簡単な料理を作ってお腹を満たし、洗濯機を使って衣服を清潔に保ち、親父のやつ早く帰って来ねえかなあと思いながら、それなりに暮らしていた。
だがそのうち金銭的な問題が起きた。親父が置いていったお金やタンス貯金されていたものはとっくに底をついており、自分の小遣いや貯金を下ろして最低限の食事を取るようになった。そんな俺に気付くものは誰もいなかったので、更に小学生の一人暮らしは続いていった。
まずは光熱費の支払いが出来なくなり、やばいなあと思ったが、いきなり止められなかったことは現代社会に感謝したいと思う。
夕方になると何気なく玄関の外に出て親父の帰りを待っている自分が滑稽に思い始めたのはいつ頃からだろうか。
収入源を失った子供の過酷な一人暮らしなど、なかなか成立しないものだ。
給食費の滞納で担任の教師が家に連絡を入れたが、電話の通じない我が家に異変を感じて直接訪れた時にそれは発覚した。
流石に電気は止められたので電池が続く限り懐中電灯で生活をしたあと、それすら無くなった今は夜の間だけロウソクで明かりを得ていた。
そのうちガスも水道も止められるだろうから、公園から水を調達するしかないなと思っていた矢先のことだった。
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