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俺の過去-4
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綺麗好きな母親とは違って俺と親父はいわゆる「片付けられない人種」だったので、部屋は汚部屋と化していた。
もう少し前なら洗濯もしていたので乱雑に散らかってはいても、悪臭はこもっていなかったはずだが、きっと鼻をつまみたくなる位には嫌な匂いが立ち込めていただろう。
それに風呂なんて入る余裕はなかったのでいくら子供とはいえ俺自身がそれなりに臭かったと思う。
平日の給食とたまに玄関の取っ手に下げられている缶詰やカップラーメンでしか栄養が取れない俺は徐々にやせ細って行くし、無駄な体力は使いたくないと思っていたので体育は適当な理由をつけて見学していたことにも心配をされていた。
「さ、佐藤くん!お父さんに今日は会えるって言ってたわよね?帰ってくるまで待たせてもらうわよ」
普段の穏やかさが消え失せて、強引に家に上がり込んできた担任の倉木先生は、少し怒り口調で鼻息が荒くなっていた。
今日は会えないと分かった地点で帰るとばかり思っていたのだが、どうやら就職難で将来の安定だけを見越した理由で教師になった類では無かったようだ。
今頃熱血な教師って珍しいよな、なんてぼんやり考えていた俺は脱ぎ散らかした服を押し避けて先生の座る場所を作って促した。
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