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俺の学園生活-1
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予想外に長期に渡って不登校を続ける俺の行く先を案じたのか、隣の県にある緑豊かな大自然に建てられた学園に、俺を預ける事にすると伯父夫婦が告げて来た。
中等部から全寮制で、近くには関連の大学もあり、エスカレーター式でそこへの入学もほぼ決まっている。
どうやら兄と過ごした家に住み続ける事が、俺にとっては良くない事だと判断したようだ。
俺はすっかり引き籠もりに慣れてしまい、若干外の世界が怖くなっていたのだが、居心地の良い場所にしがみつくよりも、緊張感のある生活を強いられる事で、見知らぬ環境に戸惑ったであろう兄に共感しようと思い、即座に了承した。
「隼人……本当はいつまでもここに居てくれて良いんだよ。気分転換だと思って欲しいんだ。嫌になったらいつでも帰って来てくれて良いからね」
そんな言葉に甘やかされ、ぬるま湯に浸かった生活から抜き出せなくなる前に、この家から出なければならないと改めて決心したのだ。
伯父夫婦は俺が何をしても怒らないどころかあれこれ世話を焼きたがる。呆れて追い出されることを願っていたのに、以前にもまして大切に囲われてしまっている事がいたたまれない。
来学期からと勧められたが一刻も早く厳しい環境に身を置きたいと思った俺は、伯父夫婦を急かして直ぐに編入試験を受けるとトントン拍子に転校が決まってしまった。
結局は何もかも準備されたもので、自分で努力したものは何一つ無い事に気が付いた俺は、一人で全てを決断し帰る事を許されない兄の事が気になって、気分転換どころかどんどん気持ちは落ち込んでいく。
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