アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
俺の学園生活-3
-
部屋はリビングの奥に2つ並んでおり、別々なので中に入ると基本お互い何をやっているのか気が付かないスタイルだ。だから俺は全く苦痛ではなかった。……俺が苦痛ではなかっただけなんだけどな。
部屋にこもってリビングに出て来ない俺の事を同室者は不気味に思ったらしい。
しかも睡眠をろくに取っていなかった俺はいつも目の下に隈を作っていたし、頭がぼーっとしていてたまに幻覚や幻聴なんかも起こしていたので、独り言をブツブツ言う姿にかなりの恐怖を感じていたようだ。すまん。
俺は自分がげっそりしている姿を鏡で見るたびに満足だった。
これは俺への罰なんだから決して健康的になどなってはいけない。呑気に寝てはいけないのだと思い、睡眠不足でやつれていく自分を大いに喜んでいた。
ニッコリ笑っているつもりでも周りから見た俺は、片方の口の端を持ち上げてニヤリとするだけだったので、気持ち悪がられて誰も近寄らなくなった。
ーーそれでいい。俺は独りでいい。
ある日、寮の裏庭でアリの行列を眺めていた。別に意味は無い。規則正しくある一定の距離を保って一つの目的に向かって進む大群を見ていたら、異質な俺とは全く逆だなと思い目が離せなくなっただけだ。
その姿を目撃されていたらしく、次の日からは変人扱いされるようになった。その事が何故か俺は嬉しかった。
相変わらず睡眠をほとんど取らず、頭にモヤがかかった状態でブツブツ独り言を放ち、たまにニヤつく俺は中等部どころか高等部の生徒からも変人と呼ばれるようになった。
高等部は外部生の入学者も増えてかなりのマンモス校だ。一学年400人という大所帯だが土地だけは余裕があるため決して窮屈には感じない。
ーーそのマンモス校で変人として有名になってしまった俺っていったい……。
寮の同室者は不気味な俺に恐怖を抱き、直ぐに耐えられなくなって部屋替えを希望する者が後を絶たず、寮長も諦めたのだろう、俺は気が付けば2Lの部屋を一人で使うようになった。申し訳ないが同室者の精神衛生上のためにもそれが良いと思う。すまん。
俺がコネで編入したのは暗黙の了解だが、まさか理事長のコネとは知られておらず、今のところ迷惑はかけていないようなので好きにさせてもらう事にした。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
15 / 96