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俺の新クラス-2
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応答のない俺にもめげること無く喋り続けるこの男……朝丘陽向(あさおかひなた)は名前までキラキラ輝いていて好青年っぷりが留まることを知らない。
朝丘と名乗ったこの男はなおも会話を続けるつもりらしい。俺の返しを期待していないのか、神経が図太いのか、多分その両方だろう。意外と身勝手な奴だ。
「校舎だけかと思ったら、寮にまで食堂が有って驚いたぜ。朝食も夕食も楽で良いよな」
「……」
確かに便利だな。食堂で出されるものは栄養が偏らない様に考えられており、育ち盛りの脅威的な胃袋を満たす為、かなりボリュームもある。
その量の多さに飛び上がって喜んでる生徒も存在し、食べ物一つで大喜びするなんて、なかなか可愛いやつめと思わなくも無い。
俺は大人数が苦手なので、学園内のコンビニやパン屋で買ったものを一人で食べることが多い。食堂に現れると何故か視線を集めてしまうし「普通にうどん食ってるぜ」などと驚かれるのも癪だ。
俺が何を食ってるのか、やつらが想像しているものを是非一度お聞かせ願いたい。決してヤモリの干物とか食ってないからな!
「今期の生徒会と風紀委員会には1年生が何人か新入りとしてメンバーになったらしいな。知ってる?」
「………」
どうでもいい情報だ。別に知らなくて良いと思う。どうせ元生徒会長の神崎や、元風紀副委員長の百瀬が活躍しているのだろう。あんな人材をやすやすと見逃す手はないからな。
「俺ら外部生の間でも神崎と百瀬だけは有名なんだぜ。男の目から見てもカッコイイよな」
「………」
へえー。そうなんだー。(棒読み)
キラキラ王子様の神崎はソフトな人当たりで、締めるところは締めるという理想的なリーダーだし、百瀬はとにかく皆から信頼されている。喧嘩も強いし男からも惚れられるのは大袈裟な表現では無いだろう。
「同じ学年にモデルのSHU(シュウ)が居るのはびっくりだよな。俺、ダチに自慢しちゃったよ。ミーハーなんだ。へへっ」
「………?」
自分でミーハー宣言をするやつっているんだな。
SHU?もしかして俺の猫背を治したいんだとか言ってあれこれ試して来たが、あの手この手で俺が逃げまくっている内に諦めたあいつの事だろうか……。あれはかなり大きなお世話だった。
「保険医の白川って、生徒を食い潰してるって噂は本当なのか?これぞTHE男子校て感じがするよな」
「…………!?」
あの白川ってホモだったのか。それは別にかまわねえが、生徒に手を出したらアウトだろう。間違っても俺は手を出される心配はないがな。
「なあ佐藤の髪って地毛なの?ボサボサでヅラにしか見えねえんだけど、それってねらってる?」
ーー泣いてもいいだろうか。ぐすん。
朝からぐったりしていると、前髪をピッタリ七三に分けた担任の大山が入って来て、やっと前を向いてくれたのだが、一刻も早く席替えを望む以外には考えられなくなった。
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