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俺の同室者-2
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俺のそばで堂々とした態度でその様子を見守っていた百瀬がしきりに白川にお礼を言いながら、玄関まで送りに行ったのを音だけで聞いていた俺はため息をついた。
「心因性か……。だが俺は家庭や兄さんの人生まで壊してしまった。だから睡眠なんて……」
「佐藤?何か言ったか?」
そこで帰って来た百瀬に問われて口を噤んでしまったのだ。百瀬に聞かせるわけにはいかないんだ。誰にも胸の内を明かしてはいけない。
そう決心すると気になっていた事を訪ねてみた。
「百瀬、もう夜ご飯の時間だぞ、閉まる前に食堂に行ってご飯食べなよ。後はもう大丈夫だから、自室に戻ってくれ」
ぼそっと「ありがとう」と付け加えると、百瀬は満面の笑みを浮かべて、俺の頬を撫でながらしれっと答えた。こいつスキンシップが多いな。
「まだ言ってなかったかな。同室者の百瀬夏彦だ。これから3年間同じ空間で生活できるなんて俺は幸せだ。よろしくな」
ええええええっ!
「同室者ってお前だったのかよ」
「ああ。佐藤はひとり部屋だっただろ?寮長に頼み込んで、俺なら共同生活できる自身があります!て直談判して同室にしてもらったんだ」
恥ずかしげもなくよくペラペラと喋るよなあ。でも不気味な俺を丸ごと受け入れてくれるこいつとなら上手くやっていく気がして来るのが不思議だ。
「お、おう。これからよろしくな」
照れ隠しにぶっきらぼうに言っても気にする事なくにこにこ笑ってる百瀬を見ていると、胸が暖かくなって来るのを感じる。
だが、これだけは言っておかないとな!
「今日みたいに俺の部屋に勝手に入ったり、俺のチンコ舐めるのは禁止だからな!」
「チ、チンコ……佐藤の、チンコ……ハァハァ」
おいおいおい。また興奮しだしたのかよ。
俺は手を伸ばして百瀬の額をピシャリと叩くと、心から軽蔑の眼差しを送った。
「ああぁぁあ。だめだ、そんな目で見られると……またイッちゃうだろ」
こいつの変態具合を舐めていたようだ。
「とにかく俺の言う事が守れないのなら部屋替えの申請をするからな!」
「わ、わかった。なるべく善処する。だから俺と、つ、付き合う事も考えていて欲しい」
無理やり約束を取り付けた感は拭えないが、まあ大丈夫だろう。こんなに会話をしたのも久々だし、素直に楽しかった。
ただ付き合うのは……。
まだまだ俺の問題は山積みだけど、またその時に考えればいいか。
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