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俺と大男-1
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ーー嘘だろ。もしかしてあの二人の関係は、従兄弟以上の何かがあるのだろうか。
百瀬と速水が抱き合っている姿を見た俺は、無性に腹が立ち、むしゃくしゃするので木陰の下から立ち上がると、川とは逆方向の森の中へ一人で入って行った。
従兄弟だとしても仲が良過ぎる気がする。それとも俺と兄のように、二人は深い関係があるとでも言うのか。たしかに速水は俺より強いし、M男の百瀬がいたぶられたら、さぞかし喜ぶだろう。
今見た光景が信じられず、我武者羅に歩いていたので、森の奥深くまで入り込んでしまったようだ。俺は立ち止まると二人の姿を思い出して悲しくなった。
もう気が付いている……俺は百瀬が好きだ。
俺を好きだと言ってくれたあの言葉は、嘘なのかと信じられなくなる。返事をなかなかしない俺に痺れを切らして心変わりでもしたのか。しかし昨日の今日でそんな事ありえないだろう。
ーーまさか、二股じゃねえだろうな。
百瀬に確かめたいのはやまやまだが、冷静さを失っている俺は、今問いただしても悪い結果にしかならない気がする。
それよりも……周りを木々に囲まれてしまったこの状況を、心配した方が良さそうだ。
「ほほーーう。我が学園の有名人がこんな所で何をしてるのかな」
ぬっと現れた大男に悲鳴をあげそうになったが、大男が両手に持っているものを見て、逆に声が出なくなってしまった。
この変な口調の大男が、俺と同じジャージを着用しているところを見れば、同級生であり俺の後を付けて来たと思われる。
同学年とは思えないほど大人びた顔つきで、体格も良く、かなりレベルの高いイケメンだ。
190cm以上はあるだろう男を見て、こんなやついたかなと驚いていると、薄ら笑いを浮かべて近付いて来た。
右手に黒光りするスタンガン、そして左手に持っているものは……なんとも卑猥なピンク色の男性器の形をしたディルドだ。
「お前、誰だよ。俺を脅そうとしても無理だぞ」
引き攣りながらも平静を装い、相手の視線から逸らさずに、いつでも逃げられるように体制を整えていたら、大男は聞いてもいない事をペラペラと話し出した。
「俺の主様がご立腹でね。お前には痛い目にあってもらうよ。すぐに終わるから大人しくしておきな。……けど、お前も馬鹿だよなあ。よりによって主様のお気に入りの朝丘に近づくなんてさ」
ははーん。大体筋書きは分かってきたぞ。まず主様って呼び方がふざけていて片腹痛いわ。
どうやら山を登る時、朝丘に肩を貸してもらって歩いていたところを見られていたようだ。
「短絡的にこんな事をするなんて、お前の方が馬鹿だろ」
俺は鼻を鳴らして不敵に笑い、不気味さに怯んだ大男へと距離を縮め、飛びかかる機会をうかがっている。
「俺は今ちょうど、むしゃくしゃしてたんだ。よく来てくれたな、感謝するぜっ!」
大男の首に腕を巻き付けてぶら下がり、懸垂の要領で頭を持ち上げ、思いっきり顎に向かって頭突きを噛ましてやった。俺の頭はそうとう硬くて、親父によく石頭と呼ばれていたっけ。
ひっくり返った大男の手からスタンガンを奪うと、ネット動画で見た事がある「痴漢撃退法」を思い出しながら、ビリリと腿にお見舞してやった。
一時的に麻痺して動けなくなっている、大男のジャージを手早くずり落とし、下着ごと靴も巻き込んで突破らってやると、遠くへ放り投げておいた。
少し動けるようになった大男の情けない姿をスマホでパシャパシャ撮ると、更に動画にも収め、大男に見せ付けておいた。
「わ、悪かったよ、許してくれ。主様に頼まれて仕方がなかったんだ」
「へえ。仕方がなかった、ねえ。嘘つけ!どうせそいつのことが好きで、俺を痛めつけるのと交換条件に、何らかの報酬を貰うつもりだろうが」
俺が伊達にBL小説を読んでると思うなよ。男が男を襲うなんて、大概このパティーンなんだよ。馬鹿め。
俺は先程撮った大男の情けない写真をチラつかせ、四つん這いになれと命令し、とうとう泣き出した大男のお尻をペシペシ叩き、主様とやらを吐かせようとした。
なかなか口を割らない大男に苛立ちが増していき、森には大男の鳴き声と悲鳴に混じって、パァンパァーンという尻を叩く音が響いていった。
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