アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
2. 甘い猛毒の滴る果実
-
――気持ち悪い
自分の中を、自分じゃないものが蹂躙していく感覚は気持ち悪い以外の何物でもない。
そう、思ったのに。
「っは…ひなたちゃん、舌出して」
「っふ、ぁ……ん…」
どちらのものとも知れない、混ざりあった唾液でしとどに濡れた舌をお互いに擦り合わせ、少しでも離れるとまたどちらからともなく求めて。
終わらない悪夢はいつしか劣情を芽生えさせる。
「ふは…とろっとろな顔しちゃって…かーわい…。そんなに気持ち良かった?」
「っ…きもちくなんか、ないっ…!嘘つき…!!息すればやめるって、言ったのに…」
「あ?だからやめてやっただろ。普通のキスは」
屁理屈だ、そんなの。
そう言ってやろうとしたのに、それを許さないとでも言うようにまた唇を塞がれる。
怯えて逃げる舌を、歯で甘く噛んで引き摺り出して。
すぐに労わるように、噛まれた場所をねっとりと舐めあげられる。
「んんっ…ぁ、ふ…っん、や…」
意地悪なのに、優しくて。
重くのしかかる無遠慮な身体を突き飛ばしたいのに、そうできない自分がいた。
やめてほしい。でももっと欲しい。
頭と身体が喧嘩し始め、葛藤を続ける間にもちゅ、と引き出された舌が啜られる。
知らず、ゾクリと震えた腰。
軍配を上げたのは、直後。
もっとと、強請るように、はしたなく。
少しだけ持ち上げた腰を、藤堂の足に擦り付けて揺らしてしまっていた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
11 / 286