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2. 甘い猛毒の滴る果実
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ぐるぐるぐるぐる、頭の中で二つの感情がせめぎ合い、衝突して火花を散らす。
――気持ち悪くて、でも気持ちいい…
快楽に従順な愚かしい身体はもっともっとと、貪欲に藤堂を離さないのに。
わずかに漂う理性の残滓が、嫌だやめろと喚き声を上げる。
そんな揺れ動く心情を嘲笑うかのように悪戯に口の端を歪めた藤堂の手が、キスに夢中になる俺の顎からスゥ…と離れていって。
「――っひ、あ…っ!?」
唐突に、すでに緩く主張しつつある自身へ手をかけられた。
布越しにあたる藤堂の、男らしい無骨な手。
冷たい手のひらでゆっくりと形を確かめるように撫でた、刹那。
「~~っ…!!っや…ああぁっ…!」
逆手でぐっと押し付けられたかと思えば、手の付け根付近にある硬い骨がぐり、と括れから先端を滑っていく。
キスなんかとは比べ物にならない直接的な快感に、早くも白旗をあげた俺のひ弱な精神。
気持ち悪いなんて言っている余裕もなく、襲い来る快感の波にゾクゾクと腰が浮き、自分から藤堂の手に押し付けてしまう。
「ふ…初めてキスしたのに勃っちゃったんだ?淫乱」
「っあ、ひあっ…!ちが…ちが、ぅ…!」
「違わない。ほら、聞こえるだろ?」
必死に首を振って否定するのに、わざと手の動きをゆっくりに、けれど動きは大きくして。
ぐちゅ、といやらしく濡れた音を、嫌でも聞こえるように仕向ける。
違うのに。普段はこんなこと絶対にないのに。
昂り過ぎた熱で溶けてしまいそうなくらい、気持ちいい…
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