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2. 甘い猛毒の滴る果実
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逃げたい。でもやめないで。もっと、もっと。
相反する二つの思考がバラバラに頭の中で泳いで、回って。
そうしている内にどんどんふわふわと浮いてしまって、その内もうどうでも良くなってくる。
閉じることを許されない足が、震えながらシーツを蹴って。
訳の分からない熱が昂って昇るたび、少しずつ身体に力が入っていく。
「は…あぁ…っ!ひゃ、あーっ…!!や、め…も…おかし、なる…!」
「いーよ。そのままおかしくなって」
「や、だ…やだぁ…!!」
口先だけの『やだ』を何度も何度も繰り返し、けれど両手は藤堂の頭を押さえつけて離そうとしない。
ピン、と足が突っ張って、身体の奥底からせり上がり出口を求める何かが、沸き上がって。
呼応するように腰が浮き、藤堂の喉奥に押し込むその動きに合わせてじゅ…と強く先端を吸われた、刹那。
「ふや…っあああぁぁ…!!」
ゾクンッと身体中を甘く熱い痺れが駆け抜け、痛いくらい弓なりに反りかえった背。
一瞬凄まじい力が全身に込められ、すぐに力をなくしてシーツに沈んでいく。
目の前がチカチカと白く明滅して、頭がぼーっと霞んで。
何が起こったのか分からないまま、酷い倦怠感と強すぎた刺激の余韻に浸る。
膝がガクガクして、足腰に力が入らず、ヒクン、と震えが止まらない。
全力疾走直後のように、汗が噴き出す身体でいっぱいに息をして、不敵な笑みを浮かべる藤堂をぼんやりと仰ぎ見た。
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