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2. 甘い猛毒の滴る果実
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今どれだけ自分が窮地に立たされているかなんて、熱に覆われた頭では理解できようもない。
投げ出された快感の尻尾を追いかけるように収縮を繰り返す蕾。
整わない息が時折いやらしく吐息を漏れさせて、これが自分かと疑いたくなる。
濡れて霞む目でチラリと藤堂を一瞥して。
見なければ良かったと後悔した。
「っひ…!」
スラックスの前を寛げ、ずらした黒い下着から覗くのは凶悪と思えるほどいきり立った、俺とは比べようもないモノ。
他人のモノを見て驚くことはあれ怯えるなんておかしなことで、けれどそれが今この瞬間にも俺を食らおうとしているなら話は別。
「ま…待て、やだっ!入んない!!」
「はいはい、大人しくしてよーな」
「っひ…や、やだやだっ…!!っあ…!」
怖い。こんなデカいの絶対入らない。
何度目かの『やだ』は軽々しく打ち捨てられ、逃げを打つ腰を強く引き寄せられてピタリとそれが蕾に押し当てられる。
途端、ひゅっと喉が鳴り、本能的な恐怖で身体がガタガタと大げさなまでに震えだす。
そんな俺を見るに見かねたのか、それとも最初からそうするつもりだったのか。
腰から手を離した藤堂が身を屈め、俺の髪をゆっくりと撫でながら額に頬にと何度も唇を押し付ける。
顔中に降るキスの雨。
幾筋も流した涙の川を舌で追って、目尻に溜まった新しい雫を啜って。
ズルい、ズルい。
こんな時に、こんなに優しくするなんて。
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