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7. すれた決意表明
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こんなにも他人に対して浅黒く濁った感情を抱いたことなんか、18年の人生の中ではまずなかった。
交友関係が上手くいっているとかいないとか、そんな次元の話ではなく、本当に。
心の底から復讐を考えるなんて、正直どうかしている。
そしてそんなおかしくなってしまった俺の頭が導き出したのは、やはりネジの吹っ飛んだ答え。
「最後の相手って?」
「言葉通りだよ。お前が抱いた最後の相手になるっつってんの」
まるで人がものみたいに、玩具だとでもいうように見繕っては遊んで、気に入らなかったら簡単に手放して。
そうやっていくつもの感情を踏みにじってきたのであろう相手には、やはり。
捨てられる側の気持ちを知らしめてやるしかない。
俺のことが好きで好きで、常に傍にいなければ死んでしまうとか。さすがに度が過ぎた考えだけれど本当にそのくらい、こいつを俺に溺れさせて。
それを俺は、容易く捨ててやるんだ。
そんな影の思惑に気付いてか、否か。
俺の無慈悲な宣言に、天宮城はしばし目を見開いてからやがてスッとその目を細めて微笑んだ。
「ふーん…?俺の最後の相手、ね…」
「何だよ」
「いや、別に。それより晩飯食べてないだろ、何か食べたいものある?」
「え、や……特には」
じゃあ適当に見繕って食べるか、なんて。
一世一代というほどの決意をぶつけたはずなのに、あまりにも軽い、あっさりとした態度に正直拍子抜け、というか。
気負っていた分落差が大きく、腰が抜けそうになってしまった。
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