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9. イタズラ心の意趣返し
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理性が崩れ落ちるギリギリのところで手放された身体は酷い熱を帯びて、ドロドロに溶けてしまいそうな錯覚さえ催した。
加えて、断続的に身体の芯から沸き起こる甘くて深い疼き。
「ん…っ、ふ……ぁ……」
生理的な涙が一つポロリと頬を伝っていき、ツ…とゆっくり流れていくその動きと感覚でさえ地獄のように身体の熱を煽っていく。
そんな過敏になった身体を見透かして、口元に笑みを浮かべながらしかし不満そうに天宮城は呟いた。
「さすが、普段耐えてるだけはあるね……でもひなたちゃんが食べた量からすると、どんなに頑張っても落ち着かないよ」
「た、べた……?」
「そう。から揚げ、美味しそうに頬張ってたろ?」
「っぁ……」
そういえば。
頼んでおいて天宮城は一つも口を付けなかったから揚げ。
食べないなら貰うと、凄く美味しくて結局全部一人で食べ終えた、あれは……
「スッポン……って聞けば、自分の状態察せた?」
「っ…??」
「あれ、分かんなげなカオ。ひなたちゃんスッポン知らない?」
いや、知ってる。
亀っぽいアレ…で、血液が強精剤になるとかいう…
でも俺が食べたのはから揚げで、肉の部分。血液じゃない。
そもそも店で出すものでこんな状態になるなら苦情殺到じゃないのか…
言いたいことは山ほどあるけれど、身体がそれどころじゃなくて口が上手く働かない。
それを察したのか、天宮城は悪戯に俺の身体を撫でていた手を退けてくれた。
「っ…おれ、血…飲んでない…」
「あぁ……うんうん、でもな。ひなたちゃん」
こんな種明かし、どうでもいい。
それより早く、早く。
身体の内側から焼け付いて溶けそうなほど高まった熱を、中心から末端まで微弱に駆けていく甘い疼きを。
どうにかしてほしかった。
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