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9. イタズラ心の意趣返し
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あぁ、ヤバい…と。
天宮城は立場柄か、人を支配して屈服させることに悦楽を覚えるタイプの嫌な人間だと思っていて、だけど。
目の前で陥落した俺に向かって。
「ふ…よくできました」
左右色の違う瞳を和らげながら、ふわりと髪を撫でられた瞬間。
身体を覆う熱の中に、ゾクン、と走った衝動。
褒められて嬉しいって、心が歓喜してしまった。
ヤバい、ヤバい。どうしよう。
触れ合わせるだけの口付けが、サラサラと髪から降りてきた手が、離れるのが嫌だ。
お願い。
「…っと……」
「ぅん?」
「もっと……」
「ふは…かわい…」
お願い、離さないで。
もっと、もっと。俺に触って。
俺で、満たされて。俺を必要として。
怖い。
されていることは何の優しさも感じない非道な行為なのに、それを受け入れようとしている俺の心が、身体が怖い。
嫌っていて、憎んでいるはずの相手なのに、どこかで依存しようとしている事実が怖くて堪らない。
「っあ……ふ、あぁぁ…っ」
やめて、お願い。
これ以上、俺を。触らないで。
そんな風に優しく触れないで、期待させないで。
「っ……お、れ…俺に……やさし…すんな…ぁ…!」
「ひなたちゃん…?」
お願い、だから。
『嫌い』なままでいさせて。
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