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10. いじけた指先に熱を絡めて
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噛み付いた口の中に、生温かな苦みと特有の鉄の匂いが広がってようやく、自分がしでかしたことに気付いた。
「ごめっ……」
けれど時すでに遅し、口を離した途端に溢れる真っ赤な血液は、傷の深さを物語るように、噛み付いたことを詰るように止め処なく皮膚を伝っていく。
いや、俺だって天宮城には二度も噛まれてはいるけれどそれにしたってこれは、下手をすれば傷跡が残ってしまうレベル。
「…いーよ、別にそれくらい」
「でも、早く手当っ…」
「ひなたちゃん。自分の置かれた状況分かってる?」
「へっ……?――っあ、あぁっ…!?」
刹那、腰を掴んだ天宮城に押し潰される勢いで体重をかけられ、ズズ…と再び襲い来る圧迫感と、苦痛。
狭い入り口を押し広げて侵入しようとするそれを必至になって飲みこもうとしているのか、少し動かされるたびにきゅぅっとナカがヒクついて。
そうやってきゅうきゅう締め付ける後腔に合わせて、はしたないことに俺自身まで反応してしまっている。
「っや、待って…まって、ぇ……!」
「ヤダ。待たない」
「ひゃ、あ…っ!――っあー……っ!!」
待たないと言った割には気遣うようにゆっくりとした動きで挿入されていって、焦らすみたいなその遅さがもどかしくて、でも気持ち良くて。
早く奥を突いて欲しいのに、けどやっぱりまだこのまま優しくされていたい。
とろとろに溶けつつある思考が完全に陥落することはもう、目に見えて明らかだった。
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